▲写真は作業所の坂口所長、見学会の模様
建設産業の魅力を若者に知ってもらおうと、一般社団法人宮崎県建設業協会(藤元建二会長)は10月14日、県立宮崎工業高等学校の建築科1年生を対象とした現場見学会を開催した。公立病院の増築工事や重要文化財の保存工事、民間の工場や事務所の新築工事の現場を見学し、生徒達は建設業に対する理解と興味を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区建設業協会)に積極的に取り組んでいる。
14日には、都農町内で河北が施工する国民健康保険病院増築工事や重要文化財赤木家保存工事、増田工務店が施工するJA宮崎経済連の茶流通加工施設建設工事、大淀開発が施工する民間企業の事務所及び倉庫新築工事の現場を見学。工事の概要や建物の規模、工事の進捗状況について、各作業所の担当者から説明を受けた。
増田工務店の現場では、作業所の坂口智洋所長が、これまでに土工事や基礎工事が完了し、現在は鉄骨工事が概ね完了している状況であることを説明。床面のコンクリート打設が完了した建物内部で、電気及び機械設備や内装工事の作業の模様を見学したほか、既に足場が撤去された建物外部から、外壁仕上げの特徴を紹介した。
質疑応答では、工事に係る費用や現場で働く人達の人数、工事で使用する資材、クレーンの合図方法などについて生徒が質問。女子生徒から寄せられた女性作業員に関する質問に対して坂口所長は、男女別のトイレや更衣室を設置するなどして、誰もが快適に働くことができる職場環境づくりに努めていることを説明した。
建設現場を初めて見学した同校の横山七海さんは、「将来は設計の分野に進みたいと考えていたが、実際の建設現場や働く方々の姿を見学して、現場での仕事も視野に、将来の進路を考えていきたい」と話した。坂口所長は、「建設業に対する興味を更に深め、将来は地元の建設会社に就職してもらえれば」と期待を込めた。