延岡市は、まちづくりのグランドデザインとして2016年に策定した第6次長期総合計画のうち、21~25年度を計画期間とする後期基本計画の素案をまとめた。相次ぐ自然災害やコロナ禍での新しい生活様式、デジタル化の進展など、社会・経済の大きな変化を踏まえ、まちづくりの原点に立ち返りながら、大胆な変革を実現する。
後期基本計画の素案では、将来の都市像に掲げる「市民力・地域力・都市力が躍動するまち」の実現を目指し、地域の特色を活かした交流連携や活力ある産業づくり、安心・安全な暮らしを支える地域づくりといった6つの基本目標を設定。各目標ごとの具体的な取り組みや、SDGs(持続可能な開発目標)との関係性などを示した。
基本目標のうち「延岡の特色を活かした交流連携のまちづくり」では、地域産業や広域観光の促進、高速道路のネットワーク化、鉄道・バス等の整備、都市間交流や国際交流に努め、交流人口の拡大を図る。また、産学官連携による新産業の創出やアスリートタウンづくりの推進、移住促進など、交流連携のまちづくりを積極的に推進する。
また、「未来を切り拓く活力ある産業づくり」では、農林水産業分野の所得向上と成長産業化、観光資源を活用した誘客促進、産業団地の整備や人材政策を推進する。「安心・安全な暮らしを支える地域づくり」では、一人ひとりが防災や地域福祉等の課題に対応できるよう、社会情勢に適応した地域コミュニティの再構築に取り組む。
一方で、「ぬくもりと躍動感が感じられる都市環境づくり」では、河川改修等による治水対策や道路網の整備による避難路の確保、安定したライフラインの構築や建築物の耐震化による生活基盤の確保など、都市整備の推進を図るとともに、効率的な市街地の整備や上下水道の整備といった快適な居住環境づくりなどを進める。
このほか、「一人ひとりを大切に育む人づくり」では、多様性を尊重し、自尊感情の高い、未来を担う子どもが主役の人づくりなどを推進。「多様な人材が参画する市民が主役のまちづくり」では、健全な財政運営の維持と持続可能な行政運営を目指し、更なる効率化や運営体制の強化等を図るとともに、市民サービスの向上に努める。
市は、これらの後期基本計画の素案と合わせて、特に人口減少問題や地方創生の観点から重点的施策を示した「第2期延岡新時代創生総合戦略」の素案も作成。「2060年に総人口8万人を維持・確保する」ことを目指し、出生率の向上や社会増減の改善を図るため、5年間で重点的に取り組むべき施策や事業を位置付けた。
これらの素案はホームページ等で公開し、市内居住者を対象に2月8日まで意見を募集する。意見提出の窓口は、企画部企画課(市役所6階)と北方・北浦・北川の各総合支所地域振興課。郵送・FAX・電子メールの場合は企画部企画課。