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椎葉村の土砂崩れ、行方不明者を捜索 宮崎建協青年部

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▲写真は捜索活動の模様

 9月6日に椎葉村で発生した大規模な土砂崩れで、地元建設会社・株式会社相生組の事務所や家屋等が被災した現場周辺では、現在も行方不明となっている3人の捜索が続けられている。19日には、県内各地区建設業協会の青年部で組織する宮崎県建設業協会青年部連合会から約120人が参加し、行方不明者の捜索を行った。

 台風10号が最接近した6日20時頃、椎葉村下福良で長さ約200m、幅20~40mにわたって大規模な土砂崩れが発生。同社の事務所や隣接する家屋等が土砂に飲み込まれ、社長の妻・相生勝子さんと息子で専務の泰孝さん、ベトナム人技能実習生のチャン・コン・ロンさんとグエン・ヒュー・トアンさんが行方不明となった。

 17日には、現場から下流に約3.5㎞離れた十根川に堆積した土砂の中から、グエンさんの遺体が発見された。ただ、依然として残る3人は見つかっておらず、地元の消防団やボランティア、相生組の社員、泰孝さんが部長を務める日向地区建設業協会青年部をはじめとした建設関連団体等による捜索活動が続けられている。

 泰孝さんは、台風後の復旧作業に備えて事務所に詰めていたところ、被災した可能性があるとみられている。今年5月に青年部長に就任してすぐ、新型コロナウイルス感染症の影響で不自由な生活を強いられている子ども達のために役立ててもらおうと、地元自治体に寄付金を贈るなど、地域への貢献を第一に考えていた。

 19日の捜索活動には、宮崎県建設業協会青年部連合会の部員のほか、会員企業で働く外国人実習生ら約120人が協力。日向地区建設業協会の副会長で、地元建設業者でつくる入郷会の会長も務める菊池隆一氏は、「多くの方々に協力していただき、とても心強い。何としても残る3人を早く見つけてあげたい」と話した。

 当日は、日向地区建設業協会青年部や相生組の社員らが、グエンさんの遺体が見つかった現場周辺の土砂を重機で慎重に掘り起こして捜索した。また、宮崎県建設業協会青年部連合会の部員らが、現場前を流れる十根川から下流に約50㎞の範囲を手分けして、3人の発見に繋がる手がかりなどを双眼鏡やドローンで探した。

 日向地区建設業協会青年部の岩本倫尚部長代理は、「多くの青年部員に協力していただき、部員の優しさ、結束の強さを感じている。今後も捜索を続けたい」と話すとともに、「あらめて土砂災害の恐ろしさを痛感した。あまりにも大きすぎる犠牲であり、その犠牲の上に立ち、建設業に何ができるのかを考えたい」と話した。

 9月22日時点で残る3人の発見には至っていない。(地方建設専門紙の会・建設ネット)