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外国人材「ウィンウィンの関係を」 国交省・中見国際市場課長

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▲中見国際市場課長

 建設業の外国人材受け入れと海外展開を一体的に支援するため、7月に新設された国際市場課の初代課長に就いた。「建設業が将来的にも発展できるよう、チャレンジする組織。自分自身もこの新しい組織でチャレンジしていきたい」と抱負を語る。

 昨年4月から建設分野でも受け入れを始めた特定技能外国人。「建設業は高齢化が進み、近い将来の大量離職も懸念されている。若年層の入職促進、仕事の効率化を大前提としつつ、人手不足を補う外国人材の受け入れが必要だ」と現状を見る。

 特定技能が技能実習と異なるのは「即戦力として建設業に取り込むということだ」と強調。その上で「外国人材も自身のキャリアアップの絵を描けるので、受け入れ企業とウィン-ウィンの関係を築けるはずだ」と話す。

 一方で、国内の建設市場が成熟する中で、「国内事業だけで建設業が持続的に発展するには限界がある」との見方も示し、「海外需要をいかに取り込むかということに目を向けざるを得ない」と、建設業の海外展開の重要性を訴える。

 2019年度に建設業の年間受注総額は初めて2兆円を超え、過去最高になった。新型コロナウイルス感染症の拡大により、先行きは見通せないものの「中長期的に見れば海外展開の重要性は変わらない。このことを念頭にしっかりと海外展開を後押ししたい」と力を込める。中小・中堅建設業についても「世界に誇れる技術を持つ企業が数多くある。海外事業の裾野(すその)を広げるためにも、サポートを続けていきたい」と述べた。

【略歴】中見大志氏(なかみ・たいし)早稲田大学法学部卒。1998年建設省入省。総合政策局建設業課法規係長、総合政策局国際政策課国際建設産業企画官、阪神高速道路会社経営企画部次長、道路局道路交通管理課車両通行対策室長などを歴任し、7月から現職。京都府出身。46歳。