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「測量の革新技術」に9件選定 アジア航測・パスコら

 国土地理院は、革新的な技術の実用化による測量の生産性向上を目指し、現場試行を行う9技術を選定した。3次元測量の関連ではアジア航測と三菱スペース・ソフトウエアの提案を、電子基準点の関連では栄光エンジニアリングと三菱スペース・ソフトウエア、パスコ、日立造船、日本測量協会の提案をそれぞれ選んだ。

 13件の応募について学識経験者による審査を行い、9件を選定した。20年度中に技術を試行活用し、その結果を公表する。特に有効性を確認できた技術や、得られた知見については国土地理院の技術開発やマニュアルの整備に生かす。

 3次元測量の高度化に関連した提案では、アジア航測が▽効率的かつ安価に3次元電子国土基本図データを作成▽電子国土基本図と現状の国土の差違を効率的に抽出―の2技術を試行する。また、三菱スペース・ソフトウエアが「災害時にオルソ画像を迅速・効率的に作成する技術」で選定された。

 電子基準点の高度化に向けた提案では、栄光エンジニアリングが「長期間の停電でもリアルタイムデータ配信を継続させる技術」を提案。また、三菱スペース・ソフトウエアとパスコが、それぞれ「周辺状況の写真と観測データから効率的に仰角マスクを作成する技術」について選定された。

 さらにパスコは、「GNSSアンテナの特性に起因する測位精度低下を回避する技術」も提案、選定された。このほか、「電子基準点の次世代通信網に関する技術」(日立造船)や、「RTK法を用いて測量・測位を効率化する技術」(日本測量協会)―が試行対象に選ばれた。