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工事規制区域への車両侵入事故急増 移動式防備車両を開発

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▲移動式防備車両

 中日本高速道路会社の管内で、高速道路上の工事規制区域内に車が誤侵入する交通事故が急増している。2020年度は8月末までに115件発生し、前年同期を7割以上上回っている。対策として同社では、規制区域内の工事従事者を侵入車両から守る大型移動式防護車両「ハイウェイ・トランスフォーマー」の開発・導入などに取り組んでいる。

 同社管内の工事規制区域間での交通事故は年々増加しており、19年度は前年度比39%増の207件発生した。工事従事者を巻き込む死亡事故も発生している。20年度の事故は、8月末までに115件発生し、66件だった前年同期をすでに49件上回っている。増加の要因については「現在のところ分かっていない」という。

 工事従事者の安全対策として同社はこれまでに、グループ会社の中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋と協力し、車両の進入を瞬時に検知して危険を知らせる「緊急遠隔しらすんだー」や「エアバック式安全チョッキ」などを開発、導入してきた。

 そして現在進めているのが、メンテ名古屋と東邦車両(横浜市)による国内初の大型移動式防護車両「ハイウェイ・トランスフォーマー」の開発だ。同車両は、車体後部に衝撃緩衝装置を装備。防護ビームを伸ばすことによって、道路上に延長約10㍍、幅約2㍍の安全な作業スペースを確保する。交通規制を伴う、ポットホール補修や事故復旧工事などの路上作業の約4割に活用することができるという。

 完成車1台を試行運用しており、試行の結果を踏まえ、導入を本格化する考えだ。