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プール整備運営事業、11月に入札公告予定 宮崎県

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▲プール整備運営事業費の内訳

 本県開催の国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会に向けて、宮崎県は大会で使用するプール施設の整備及び運営をPFI事業として実施する方針を固めた。施設の整備運営事業費は約167.7億円。今年11月に入札手続きを開始し、参加表明書や技術提案書の受付、提案内容の審査を経て、2021年6月に落札者を決定・公表する予定でいる。

 大規模な公式大会が開催可能な日本水泳連盟公認プール(国内一般・AA)を、宮崎市錦本町の県有グラウンドに整備する。プール施設は、50mプール、25mプール、トレーニングルーム、多目的スタジオ、関連諸室、駐車場等で構成。仮設を含む観客席数は2500席以上とし、延床面積は1万3000m2以上を見込む。

 事業方式に関しては、事業者がプール施設の設計及び建設を行い、完成後に施設の所有権を県に移転した後、15年間にわたって施設の運営・維持管理を行うBTO方式を採用する。事業期間は、設計・建設が事業契約締結日~24年12月、開業準備が25年1月~3月、運営・維持管理が25年4月~40年3月を予定する。

 PFI手法で算定したプール整備運営事業費は約167.7億円(税込)で、従来手法と比べて5.9億円程度縮減できるという。内訳は、施設整備費が98.4億円(設計及び監理、建設費)、備品費用等が5.5億円、開業準備費が0.5億円、15年間の維持管理・運営費が46.5億円、その他が7.2億円(いずれも税抜)。

 県は、開会中の9月定例県議会に上程した補正予算案の債務負担行為で、プール整備に係る設計・建設、開業準備、運営・維持管理費に充てる「県有スポーツ施設整備事業」(支出期間=21年度~39年度)の限度額を167億6534万円と設定している。

 事業ではこのほか、敷地内の余剰地(敷地面積約2万1300m2)を活用した民間収益施設を一体的に整備する提案を求める。県と事業者が事業用定期借地権設定契約を結び、民間収益事業敷地において独立採算事業として民間収益施設を整備し、事業者が提案した期間満了日まで、運営・維持管理を行うことを想定する。

 事業者の募集に際しては、幅広い能力やノウハウ、実績等を総合的に評価して事業者を選定する必要があることから、施設の設計業務に当たる者、建設業務に当たる者、工事監理業務に当たる者、運営業務に当たる者、維持管理業務に当たる者のほか、民間収益事業者を含む複数の企業等で構成するグループでの参加を求める。

 また、これまでに民間事業者と行った対話を踏まえ、「入札参加条件に地域要件は設定しないが、地元企業の活用を促進したい」「PFI事業敷地と民間収益用地との境界線の任意提案は可能」といった考えを示すとともに、新型コロナウイルス感染拡大防止のための3密対策への対応等を要求水準に盛り込む考えでいる。

 今後の主な事業スケジュールは、▽20年11月=入札公告▽21年4月=技術提案書の受付▽21年6月=落札者の決定・公表▽21年10月=事業契約の締結▽24年12月=施設完成▽25年4月=供用開始―を目指している。