国土技術研究センター(JICE)と沿岸技術研究センター(CDIT)は9月16日、第22回国土技術開発賞の表彰式を東京都内で開いた。応募40件の中から、最優秀賞として、竹中土木・ケミカルグラウトが開発した「既存住宅の住まいながら液状化対策工法」を選定。このほか優秀賞2件、創意開発技術賞3件、入賞4件の合計10件の技術を選び、開発に携わった技術者らを表彰した。
国土技術開発賞は、建設技術開発者の研究開発意欲の高揚と技術水準の向上を目指して1998年に創設されたもので、「新規性」「汎用性」「技術開発の効果」の視点から、最優秀賞、優秀賞、創意開発技術賞などを選んでいる。
このうち創意開発技術賞は、中小建設業や専門工事業を対象とし、創意工夫やアイデアにすぐれた新技術をたたえており、今回はいずれも岐阜県の山辰組やアーポなどを選んだ。また、最優秀賞と優秀賞となった計3件の技術は、21年度の「ものづくり日本大賞」の候補として推薦する。
国土交通省の佐々木紀大臣政務官は表彰式で「コロナ禍で一層の新技術への期待が高まっている」と述べるとともに、受賞者に対し「技術力のフロントランナーとして、技術開発に尽力してほしい」とエールを送った。
受賞企業・団体は次の通り。
【最優秀賞】▽既存住宅の住まいながら液状化対策工法―竹中土木(東京都江東区)、ケミカルグラウト(東京都港区)
【優秀賞】▽鋼製支保工建込みロボット―前田建設工業(東京都千代田区)▽鋼橋の疲労き裂に関する近接目視点検教育システム―首都高速道路(東京都千代田区)、首都高速道路技術センター(東京都港区)
【入賞】▽人工知能による舗装点検の省力化技術―福田道路(新潟市)▽吸い出し・陥没抑止に向けたケーソン目地透過波低減法―海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)、前田工繊(東京都港区)▽水底土砂の放射性物質を原位置分級し浚渫する工法―あおみ建設(東京都港区)▽地震時地盤災害推計システム―国土交通省国土地理院(茨城県つくば市)
【創意開発技術賞】▽雑草防止機能付きの自転車走行安全性に優れた側溝―アーポ(岐阜県揖斐川町)▽既設落石防護柵のかさ上げ及び補強工法―ビーセーフ(富山県南砺市)▽ハイブリッド・サイフォン排水装置―山辰組(岐阜県大野町)。