▲写真は挨拶する許斐副会長、研修会の模様
東諸地区建設業協会と宮崎県土木施工管理技士会東諸支部(藤元建二会長・支部長)は、9月9日に「宮崎県土木工事に係る技術研修会」を開催した。会場では、手指の消毒や検温、参加人数の制限など新型コロナウイルス感染症対策を徹底。出席した技術者が、工事検査や施工上の留意点、工事書類簡素化のポイントなどを学んだ。
藤元会長に代わって挨拶に立った協会の許斐泰將副会長は、建設業界が高齢化や担い手・労働者不足といった課題を抱えていることを説明。大きな時代の変化に対応するためにも、働き方改革を進め、適切な利益を上げ、若者に入職してもらえるよう、給与・休暇・希望の新3Kの魅力あふれる職業にすることが急務であると述べた。
一方で、近年の公共事業に於いては、施工技術や施工管理の方法が急速に変化し、複雑化・高度化していることを指摘。建設工事の品質確保や生産性向上のために、「技術力や施工管理能力を向上させることが重要」としたうえで、講習で学んだことを技術の研鑽に役立て、出席できなかった他の技術者に伝えてもらうよう呼び掛けた。
研修では、宮崎県工事検査課の松尾崇司専門員、越山昌和専門員、山下修専門員が講演。「工事検査」について説明した松尾専門員は、検査の目的や中間検査の改定等を解説したほか、検査の合格範囲が出来形管理基準の規格値内であり、設計図と異なる施工を行う必要がある場合は、必ず監督員と協議して設計変更を行うよう求めた。
一方、「施工上の留意点」をテーマに講演した越山専門員は、土工やコンクリート工、コンクリートブロック工、法面工に於ける指導・助言事例を踏まえ、土木工事共通仕様書で定める内容を説明。山下専門員は、県が策定したガイドラインに沿って「工事書類の簡素化」の内容を説明し、会員から事前に寄せられた質問に回答した。
研修ではこのほか、高岡土木事務所工務課の岡部章課長が「宮崎県における最近の建設行政の取り組み」をテーマに講演。公共事業予算の推移や建設業に於ける働き方改革の取り組み、施工時期の平準化、不調・不落対策といった施工体制の確保、工事現場等に花を飾る「みやざき花いっぱいプロジェクト」などについて説明した。