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FITの長期未稼働対策 太陽光発電は4年で失効も

 経済産業省は、再生可能エネルギー固定価格買取(FIT)制度に基づく認定の失効期間を定める省令案をまとめた。認定を受けたにも関わらず長期にわたって運転を開始していない発電事業に対し、早期の事業化を促す。出力10㌔㍗以上の太陽光発電については、送配電事業者への系統連係工事の着手申込の有無など、事業の進捗(しんちょく)に応じて失効期間を定めることとしており、運転開始期限から最短4年で失効する。

 FIT制度の開始以降、太陽光発電を中心に再エネ事業は急速に普及した。一方で、買取価格が認定時に設定されることを利用し、発電パネルなどのコストの下落を待って着工を遅らせる事例が多発。16年度以前に認定を受けた事業用太陽光発電のうち、6万6844件が未稼働となっている。

 経産省はこれを受けて、6月に成立した改正再エネ特措法に基づくFIT認定の失効制度を検討。失効期間は省令で定めるとしている。

 省令案では、10㌔㍗未満の太陽光発電について、1年以内の運転開始を求めることにした。

 10㌔㍗以上の太陽光発電では、▽運転期限から1年以内に送配電事業者に連係工事の申込をしていない場合は4年▽1年以内に連係工事の申込をしていれば6年―を失効期限とする。認定の際に環境影響評価を行っていた場合はそれぞれ2年間、期間を延長する。

 この他、1年以内に連携工事を申し込み、2000㌔㍗以上の工事計画届出が不備なく受理されている場合などについては、23年の期間を設ける。

 風力、水力など他の発電方法についてもそれぞれ失効期間を設ける。

 経過措置として、改正法が施行する2022年4月1日より前に運転期限を迎える発電設備については、連係工事の申し込みの有無などに応じて最短で施行日から1年間を失効期間とすることも盛り込んだ。