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川辺川ダム「早期の建設再開を」 足立議員が視察

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▲現地を視察する足立議員

 自民党の足立敏之参院議員は、2020年7月豪雨で被災した熊本県南部を訪れ、計画が白紙撤回されている川辺川ダム(五木村)のダムサイトを視察した。今回の豪雨で甚大な被害を受けた人吉市のピーク流量は毎秒約8000㌧と推計されており、足立氏は「川辺川ダムがあれば約3000㌧をカットできた」と話し、「1日も早くダムを含めた抜本的な治水対策を講じ、災害に備えてほしい」と指摘した。

 川辺川ダムは、民主党政権時代に八ッ場ダムと同様に計画が白紙撤回されたもので、未整備のダムとしては国内で最大の計画だという。ダムサイトでは、すでに仮排水路トンネルの坑口や本体工事用の骨材製造設備なども完成している。

 20年7月豪雨の被害を受け、20日には流域の12市町村がダム建設の促進を決議し、熊本県に申し入れた。続く25日には国土交通省、県、市町村も参加する豪雨被害の検証委員会が発足。年内にまとまる検証結果を踏まえ、国交省・県が新たな治水対策をまとめる。

 足立氏は、国交省在職中に川辺川ダムの建設計画に携わった経緯があり、「(今回の豪雨被害に)責任を感じている。当時は計画に反対した流域の市町村もダム建設にかじを切っており、早期に計画を再開してほしい」と話した。