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97社に立入検査、16社に処分・勧告 法令遵守推進本部

 国土交通省九州地方整備局は、建設業法違反の指導や監督等を目的とした「建設業法令遵守推進本部」の2019年度の活動結果をまとめた。推進本部に寄せられた19年度の通報・相談件数は275件で、前年度から6件増加。97社に対して立入検査等を行い、法令違反や書類不備等が確認された16社に監督処分や勧告を行った。

 19年度に駆け込みホットラインや建設業フォローアップ相談ダイヤル等に寄せられた通報・相談件数は275件。制度や法令等に関する問い合わせが99件(前年比6件減)で最多で、このほか社会保険加入対策29件(7件減)、請負代金の不払73件(6件減)、法令違反等の疑義52件(8件増)、施工不良22件(17件増)となった。

 下請取引等実態調査結果や過去の処分歴を踏まえ、19年度は97社に対して立入検査を実施。公契約関係競売入札妨害及び贈賄で1社を営業停止、無許可業者との下請契約で2社を指示処分としたほか、契約書不作成や支払遅延、施工体制台帳等不作成が確認された13社に是正勧告を行い、改善状況報告書の提出を求めた。

 これらの活動結果を踏まえた20年度の活動方針では、元請負人と下請負人との対等な関係の構築及び公正かつ透明な取引の実現を図るため、前年度に引き続き、法令違反情報等の収集や建設業の法令遵守に関する周知、立入検査の実施、建設業取引適正化推進月間の実施、建設業取引適正化センターの周知などに取り組む。

 特に、今年10月施行の改正建設業法で、著しく短い工期の禁止や労務費相当額を現金で支払う配慮義務、通報を理由とする不利益取り扱いの禁止などの規定が盛り込まれることを踏まえ、今後、改定予定の「建設業法令遵守ガイドライン」等を活用しながら、講習会・研修会等の機会を通じて内容の周知・徹底を図る。

 立入検査の実施や講習会等の開催に際しては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて適切な対応を図り、駆け込みホットライン等で新型コロナ感染症に関する相談に応じる。新型コロナ感染症に起因する工事の一時中止・延期等で下請負人に不測の損害を与えることがないよう、適正な下請契約や代金の支払いを求める。