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島野浦小中一貫校を整備、今年度に設計・調査 延岡市

 延岡市は島野浦小学校と島野浦中学校を統合し、島野浦小中一貫校として整備する計画を明らかにした。地域IoTを効果的に活用し、地方の学校が抱える少人数化等の課題を克服する「新しい教育」の延岡モデルに先進的に取り組む環境を整備する。一貫校整備事業の概要をホームページで公開し、9月4日まで計画に対する意見を募集する。

 2020年5月時点の島野浦小の全校児童は23人、島野浦中の全校生徒は8人で、人口及び児童生徒数ともに減少傾向にある。島浦町区長と両校のPTA会長は、18年に「島野浦中学校区一貫教育の推進に係る要望書」を提出。施設一体型小中一貫教育の早期整備と、これに伴う施設や設備の充実、新共同調理場の整備を求めていた。

 地元の要望や施設の現状を踏まえ、市は島野浦小学校と島野浦中学校を統合し、島野浦小中一貫校として整備することを決定。地域IoTを効果的に活用し、地方の学校が抱える少人数化等の課題を克服する「新しい教育」の延岡モデルに先進的に取り組む環境を整えるとともに、不足する校舎や共同調理場を新設する方針を定めた。

 整備方針によると、小中一貫校は現在の島野浦中学校の所在地(島浦町322番地4)に整備する。長期的な利用が可能な既存の中学校校舎を活用する一方で、既存校舎の特別教室を普通教室に改修するため、不足する特別教室棟を敷地内に整備する。また、現在の小学校に隣接している共同調理場を、敷地内に新たに建設する。

 特別教室棟の中には、AIやWeb会議システムなどの地域IoTを効果的に活用した「新しい教育」に先進的に取り組むための多目的室も整備し、地域住民への学習機会の提供や人材育成の場として開放する。9年間を通した一貫性のある教育を通じて、きめ細やかで継続した対応を可能とする義務教育学校とすることも検討する。

 事業スケジュールによると、20年9月~21年3月に実施設計や地質調査を行い、21年6月~12月に特別教室棟や共同調理場の新築工事、21年6月~10月に既設校舎の改修工事を行う予定。22年4月の開校を目指す。概算事業費は約4億9000万円で、財源には国の交付金制度や地方交付税制度を最大限活用する。

 島野浦小中一貫校整備事業の概要は、延岡市のホームページや情報公開センター、総合支所及びコミュニティセンターなどで公開し、市内に居住する者を対象に9月4日まで意見を募集する。意見の内容と住所・氏名を明記し、窓口・郵便・メールのいずれかで提出する。意見の概要と市の考え方は、ホームページで公表する。