宮崎県は、6月30日から7月3日にかけて開催した「県プール整備運営事業(仮称)」に関する意見交換会の実施結果を公表した。事業者が確認したい内容に関して、現時点での県の考え方を示したもの。寄せられた意見等を踏まえ、県はその内容について検討を行い、可能な範囲で入札公告や要求水準書等に反映させる考えでいる。
大規模な公式大会が開催可能な屋内プールを、宮崎市錦本町の県有グラウンドにPFI手法で整備する計画。施設は50mプールや25mプール、関連諸室、駐車場などで構成する。仮設を含む観客席数は2500席以上で、延床面積は1万3000m2以上を想定。PFI手法で算定した概算事業費は167億円程度を見込む。
事業ではこのほか、敷地内の余剰地(敷地面積約2万1300m2)を活用した民間収益施設を一体的に整備する提案を求める。今年3月に公表したPFI法に基づく「県プール整備運営事業(仮称)」の実施方針や要求水準書案にこういった方針を盛り込み、参加を考えている事業者と行った意見交換の結果をまとめ、HPで公開した。
PFI事業と民間収益事業を分けて採用できない理由に対しては、「別発注の場合、余剰地が活用されない可能性がある。まちづくりの視点から、一体整備とした場合に相乗効果を期待できる」と回答。地元企業活用や業者選定手法に関しては、「入札参加条件として地域要件は設定しないが、地元企業の活用を促進したい」と答えた。
実施方針で示した建設業務を行う者の資格要件の緩和に関しては、「品質確保やこれまでの大規模建築物の参加資格要件を考慮して定めていることから、現在の方針から変更は行わない予定」とした。PFI事業敷地と民間収益用地との境界線は「変更可能とする予定」としたが、事業用地の「配置変更は不可能」とした。
また、新型コロナウイルスの影響で三密回避等が求められていることから、ロッカー数やトレーニング機器台数、各スペースの定員といった要求水準案に関しては、「意見を踏まえて変更を検討する」と回答。休業要請等に伴う閉館時の損失等については、「休業補償は現在検討中であり、契約書案等で入札公告時に示す」と答えた。
このほか、利用料金収入やサービス対価、事業者の選定基準、不可抗力時のリスク、プール整備運営事業と余剰地活用事業の評価の在り方などに関しても、「現在検討中であり、入札公告時に示す」と回答した。
PFIで実施することが適当と認められた場合、県は9月に特定事業の選定と公表を行う見通し。9月補正予算案の中で、当該事業に係る債務負担行為を設定する。計画では、11月に事業の入札手続きを開始し、参加表明書や技術提案書の受け付け、提案内容の審査を経て、2021年6月に落札者を決定・公表する予定でいる。