宮崎県は、新型コロナウイルス感染症対策事業の一環として、県立こども療育センター(宮崎市清武町木原)の施設整備に取り組む。入所児や医療従事者の施設内感染を防止するため、病棟の一部を改修し、個室や共有スペースの整備等を行う。2020年度7月補正予算に、そのための事業費として3億2177万円を盛り込んだ。
こども療育センターは、重症心身障がい児や医療的ケア児の入所・ショートステイを行っている県内でも数少ない施設の一つ。比較的長期にわたる治療が必要な児童に整形外科や小児科的治療、リハビリテーション、生活指導などを行い、子ども達やその家族の生活を支える上で必要不可欠なサービスを提供している。
県は、新型コロナウイルスの第2波へ備えつつ、地域経済と県民生活の再生・復興などを推進するため、20年度7月補正予算に新型コロナ対策として約166億円を盛り込んだ。コロナ禍にあっても必要なサービスが継続的に提供できるよう、施設内感染の発生及び感染拡大防止の観点等から、3密対策等の施設整備に取り組む。
3密対策では、子ども達や医療従事者の施設内感染等を防止するため、既設の病床数を減らし、多床室からの個室化やゆとりを持った共有スペース、手洗い等の整備を行う。また、感染疑いのある子どもを隔離しつつ、適切な医療等を提供するため、感染症対策のための陰圧室や防護具脱衣室、監視モニター等の整備を行う。
このほか、酸素吸入・吸引装置、換気・電気・給排水設備、非常用電源及び2病棟のトイレ等の整備を行う。これらの施設整備を通じて、入所児や在宅の医療的ケア児等の安心・安全な暮らしの確保を図り、継続的な医療提供体制を整える。