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PFIのプール整備、概算事業費は167億円 宮崎県

 2026年の国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、宮崎県は大会で使用するプール施設の整備に係る検討状況を明らかにした。プール整備にPFI手法を採用した場合の税込の概算事業費を167.7億円程度(維持管理・運営費含む)と試算し、従来手法と比べて5.9億円程度、事業費を縮減できるとの見通しを示した。

 国スポ・障スポや全国大会等の大規模な公式大会が開催可能な屋内プールを、宮崎市錦本町の県有グラウンドに整備する計画。施設は、50mプールや25mプール、トレーニングルーム、多目的スタジオ、関連諸室、駐車場などで構成する。仮設を含む観客席数は2500席以上とし、延床面積は1万3000m2以上を見込む。

 県は、プール施設の整備・運営等にPFI手法を導入する方針を固め、今年3月にPFI法に基づく「県プール整備運営事業(仮称)」の実施方針と要求水準書案を公表。事業者がプール施設の設計及び建設を行い、県に施設の所有権を移転した後、15年間にわたって運営・維持管理を行うBTO方式で事業を実施する考えを示した。

 PFI手法で算定したプール整備に係る税込の概算事業費は167・7億円程度(15年間の維持管理・運営費を含む)。設計や施工、維持管理等を個別に契約する従来手法と比較して、特別目的会社(SPC)を通じて包括契約を締結するPFI手法では、事業費を5.9億円程度縮減できるとの見通しを示した。

 PFI手法による事業費の内訳は、施設整備費が98.4億円(設計・施工監理3.8億円、建設費94.6億円)、備品費用等が5.5億円、開業準備費用が0.5億円、15年間の維持管理・運営費用が46.5億円(維持管理・運営費用34.3億円、光熱水費12.2億円)、金利やSPC運営経費等のその他費用が7.2億円。

 当該事業ではこのほか、敷地内の余剰地(敷地面積約2万1300m2)を活用した民間収益施設を一体的に整備する提案を求める。県と事業者が事業用定期借地権設定契約を結び、民間収益事業敷地において独立採算事業として民間収益施設を整備し、事業者が提案した期間満了日まで、運営・維持管理を行うことを想定している。

 事業者の募集に際しては、幅広い能力やノウハウ、実績等を総合的に評価して事業者を選定する必要があることから、施設の設計業務に当たる者、建設業務に当たる者、工事監理業務に当たる者、運営業務に当たる者、維持管理業務に当たる者及び民間収益事業者を含む複数の企業等で構成する入札参加グループでの応募を求める。

 PFIで実施することが適当と認められた場合、県は9月に特定事業の選定と公表を行う。これと合わせて、9月補正予算案の中で、当該事業に係る債務負担行為を設定する。11月に入札手続きを開始し、参加表明書や技術提案書の受け付け、提案内容の審査などを経て、21年6月に落札者を決定・公表する予定でいる。