▲写真は挨拶する黒木会長、表彰式、総会の模様
一般社団法人宮崎県治山林道協会(黒木定藏会長=西米良村長)は6月30日、宮崎市内で2020年度「第8回定時総会」を開催した。出席者の座席間隔を確保するなど、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、19年度収支決算や20年度事業計画等を承認。任期満了に伴う役員改選では、黒木定藏氏を会長に再選した。
挨拶で黒木会長は、昨年度に発生した台風や豪雨等により、県内各地で山地災害や林道災害が発生し、県や市町村と一体となって復旧に向けた調査・設計等に対応したことを報告。また、新たな森林管理システムや森林環境贈与税といった制度が、森林や林業の強い基盤づくりのために有効活用されることに大きな期待を寄せた。
このほか、昨年度の収益事業が当初の計画を大きく上回る実績となったことや、公益事業として緑の文庫、山村集落リフレッシュ支援事業、山村と都市の交流事業を展開し、参加者から好評を得たことを説明。地域から期待、信頼される組織を目指し、今後も森林や林業を支援するための取り組みに努めていく考えを示した。
来賓祝辞で宮崎県環境森林部の佐野詔藏部長は、消費増税や新型コロナウイルスの影響で下落傾向にある木材価格の安定や雇用の維持、木材需要の拡大に向けて、市町村や林業関係者と一体となって取り組むとともに、多面的な機能を有する県民共有の財産である森林の適正な整備や維持管理を推進していく考えを示した。
議事では7つの議案を原案どおり承認。20年度の事業計画では、▽森林・林業・山村の役割に関する普及啓発事業▽技術向上に関する事業▽治山・林道・保安林整備計画調査事業▽調査研究事業▽治山林道受託事業―を推進するほか、治山及び森林整備の計画的な実施に必要な予算確保等を関係当局に要望することを確認した。
*新役員は次のとおり(敬称略)
▽会長=黒木定藏(西米良村長)
▽副会長=椎葉晃充(椎葉村長)
▽専務理事=福満和徳(学識経験者)
▽常務理事=直野恵一(学識経験者)
▽理事=安田修(門川町長)、日髙昭彦(川南町長)、佐藤貢(日之影町長)、半渡英俊(木城町長)
▽監事=中別府尚文(国富町長)、原田俊平(五ヶ瀬町長)。
■優れた技術者ら表彰、治山林道等コンクール
定時総会では、林道の維持管理の推進や施工技術の向上を目的とした「林道維持管理コンクール」及び「治山林道工事コンクール」の表彰式も執り行われた。適切な林道の維持管理や治山・林道工事に於ける施工技術の向上、木材使用工法の推進等に顕著な功績があった受賞者に対し、黒木会長が表彰状と記念品を贈った。
受賞者を代表して謝辞を述べた日之影町の佐藤貢町長は、「治山林道工事や林道の維持管理に対する努力が認められ嬉しく思う」と喜びを語るともに、過疎化・高齢化の進展で山村を取り巻く状況が厳しい中、「治山林道事業の推進に努力し、豊かな森を守り育て、山村地域を次世代に引き継いでいく」と意気込み語った。
表彰受賞者は次のとおり(敬称略、カッコ内は対象路線・工事)。
*林道維持管理コンクール
▽最優秀賞=佐藤貢日之影町長(森林管理道竹の原・中川線)
*治山林道工事コンクール
〔治山工事部門〕
▽最優秀賞=興梠慎二/木田建設[復旧治山事業朝ノ戸]
▽優秀賞=島崎美千也/谷口重機建設[海岸防災林造成事業伊倉]、濵田孝志/浜田建設[予防治山事業立宇津]
▽優良賞=山本真也/五幸建設[災害関連緊急治山事業家床]、尾前智一/相生組[復旧治山事業小倉の平]
〔林道工事部門〕
▽最優秀賞=江藤政義/竹尾組[森林資源循環利用林道整備事業(開設)岩神・大石線(2工区)]
▽優秀賞=田邉邦暁/田邉建設工業[森林資源循環利用林道整備事業(開設)岩神・大石線(1工区)]、千草建士郎/松澤組[森林資源循環利用林道整備事業(開設)林業生産基盤整備道長谷・児原線(1工区)]
▽優良賞=赤木剛/隅田組[地方創生道整備推進交付金事業(開設)可愛岳線(2-1工区)]、米良昌人/木倉建設[地方創生道整備推進交付金事業(開設)黒岳線(2工区)]
〔治山・林道木材使用工事部門〕
▽優秀賞=北諸県農林振興局林務課森林土木担当[復旧治山事業神応寺]、西臼杵支庁林務課森林土木担当[森林資源循環利用林道整備事業(開設)高千穂・日之影道路(5工区)]。