宮崎市は、国の国土強靱化基本計画に基づく「国土強靭化地域計画案」を作成した。これまでの防災・減災対策の取り組みを念頭に、国の基本計画や県の地域計画との調和を図りながら、関係者相互の連携のもと、今後の市の強靭化に関する施策を総合的・計画的に推進する。計画期間は2020年度から22年度までの3年間。
計画案では、最大限の人命保護や市及び社会の重要な機能の維持、市民の財産及び公共施設の被害の最小化、迅速な復旧復興を基本目標とし、8つの「事前に備えるべき目標」を設定。また、39の「起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)」に基づく脆弱性評価を踏まえ、目標達成に向けた施策の推進方針を示した。
具体的には、大規模災害発生時でも人命の保護が最大限図られるよう、住宅や建築物、公共施設、交通施設等の耐震化を推進するとともに、公共交通の安全確保のための施設整備や海岸施設等の老朽化対策の推進、高規格幹線道路及び地域高規格道路等の整備、河川改修等の治水対策の推進、土砂災害対策や治山事業の促進を図る。
また、地域防災力の向上や人材育成、市民の防災意識の啓発、津波避難計画等の住民周知、避難行動要支援者対策の推進、防災情報の提供、土砂災害警戒区域の周知を図る。
発災直後から迅速な救助・救急、医療活動等を展開するため、水道施設及び下水道施設の耐震化や物資輸送ルートの確保、医療用資機材・医薬品等の備蓄と供給体制の整備、応急給水体制の整備、避難所運営体制の強化、避難場所等の確保と避難所の耐震化、情報通信機能の耐災害性の強化、災害対応マニュアルの見直しなどを行う。
発災直後に必要不可欠な行政・情報通信機能を確保するため、公共施設等の耐震化や電力供給遮断時の電力確保、情報伝達手段の多様化などを図る。経済活動(サプライチェーンを含む)を機能不全に陥らせないため、道路等の防災・震災対策の推進や企業におけるBCP策定の支援情報の周知、農業用ため池の防災対策を推進する。
再生可能エネルギー等の導入促進や消防力の強化、し尿処理施設の防災対策の強化などを通じて、生活・経済活動に最低限必要なエネルギーや機能を確保する。大量に発生する災害廃棄物の処理に係る体制整備や道路啓開等の復旧復興を担う人材等の確保・育成、応急仮設住宅供給体制の充実、罹災証明交付体制の整備なども図る。
宮崎市国土強靭化地域計画案は、ホームページや市民情報センター、総合支所、地域センターなどで公開し、6月30日から7月30日まで意見を募集する。問い合わせ先は、宮崎市危機管理部危機管理課(電話0985-21-1730、FAX0985-25-2145、メール03kiki@city.miyazaki.miyazaki.jp)。