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入札方式変更、6月下旬に再公告 綾第二発電所大規模改良

 宮崎県企業局は、新型コロナウイルス感染症の影響で入札手続きが困難となったため入札手続きを中止した「綾第二発電所大規模改良事業のうち発電所更新工事」を6月下旬に再公告する。2021年度中のFIT認定に向けて、技術提案書改善のための技術的対話を必要としない入札方式に変更し、20年11月上旬に契約を締結する考えでいる。

 運転開始後60年以上が経過し、施設本体や設備の老朽化が進行している綾第二発電所(最大出力2万8000㌔㍗)において、設備の早急な更新を行うとともに、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用した大規模更新を実施するもの。更新に合わせて、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用し、収益の増加を図る。

 工事範囲は、▽更新=水車、発電機、制御盤等、配開装置、変圧器、遮断器等、水圧鉄管、非常用発電機、進入防止柵、安全対策施設▽新設=放水口ゲート、代替放流設備▽改修=放水路(庭)、遠制装置、総合監視制御システム▽補強=発電所建屋―など。工期は26年3月25日を超えない範囲で、受注者が提案する日まで。

 企業局は昨年12月、施設更新に係る設計及び製作・更新工事を一括発注する当該工事を、一般競争入札(総合評価落札方式/技術提案評価型)で公告。電気と土木の資格認定を受けている2者で構成する特定建設工事共同企業体、または土木の資格認定を受けている単体企業を対象に、申請書や技術提案書の提出を求めていた。

 その中で、全国的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、技術対話などの入札手続きを2回延長していたが、新型コロナの完全な収束が不透明な状況にあり、これ以上の入札手続きの延長は21年度のFIT認定に支障を与える恐れがあることから、5月25日に入札公告を取り消し、入札を中止することを決めた。

 このため企業局では、技術対話を必要としない入札方式に変更したうえで、6月下旬に再公告を行う予定でいる。入札手続きを経て、11月上旬に契約を締結する見通し。FIT認定は21年12月を予定している。施設整備に係る設計や工事を順次進め、最終的に26年3月までの事業完了と運転開始を計画する。

 再公告にあたり、現時点の単価水準の上昇や工事工程の見直しによる予定価格の再計算を行い、20年度6月補正予算案で事業費を9億5380万円増額する。補正後の綾第二発電所大規模改良事業の総額は104億6540万円となる。20年度の予算額は2億3726万円で、発電所更新や工事用土木設備の設計を行う。