宮崎労働局(名田裕局長)は、宮崎県内に於ける2019年度の熱中症による労働災害(休業・不休災害)の発生状況をまとめた。19年度は、県内の作業場等で前年比1人増の108人が熱中症になり、医療機関で治療を受けた。業種別では建設業が37人で最多。建設業と製造業、農林業で全体の6割強を占めている。
県内の熱中症発生件数を業種別にみると、建設業が37人で最多となったが、前年比では7人減少した。このほか、製造業が17人(2人増)、農林業が14人(5人増)、清掃・と畜業が10人(2人増)、商業が10人(3人増)、接客娯楽業が6人(同1人増)、医療・福祉業(同1人減)、警備業4人(4人増)と続く。
作業場別では、屋外が約64%、屋内が約33%。年齢別では、例年20代と40代が多いが、19年度は50代及び60代の高齢者の発症率も高かった。発生時期は7月と8月が多く、気温30度未満の環境下でも熱中症が発生している。
一方、全国の全産業に於ける19年度の熱中症による死傷者数は829人。過去10年間では、1178人だった18年に次いで2番目に多かった。建設業の死傷者数は153人で、18年に次いで2番目に多かった。死亡者数は10人。全業種の死亡者は25人で、全体の4割を建設業が占めている。
厚生労働省は、熱中症の予防に向けて「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を9月30日にかけて実施する。暑さ指数(WBGT値)の適切な計測と、暑さ指数を下げるための設備の設置や休憩場所の整備、作業時間の短縮、水分・塩分の摂取、日常の健康管理など、作業環境の管理の徹底を推進する。
キャンペーンの要綱には新型コロナウイルス感染症対策を考慮した熱中症対策についても記載。環境省と厚労省が発出した事務連絡を踏まえ、高温多湿の環境でマスクを着用している労働者が息苦しさを感じたときは、休憩時間を長めに設定することとしている。