国土交通省の新技術活用システム検討会議は、2020年度の推奨技術として、橋梁舗装版の切削打ち換え工事に使用する「クマンツメ」を選んだ。技術開発者はコマツレンタル宮崎(宮崎市)。20年度はこのほか、準推奨技術3件、地方自治体の推薦を受けた評価促進技術2件も選定。推奨技術、準推奨技術、評価促進技術を活用した施工者には総合評価方式、工事成績評定で加点する。
各地方整備局や技術審査証明実施機関、研究機関、自治体が推薦した新技術の中から、推奨技術1件、準推奨技術3件、評価促進技術2件を選んだ。20年度の追加で、推奨技術は2件、準推奨技術は14件、評価促進技術は3件が選定されたことになる。
推奨技術に選定された橋面舗装2次切削ツース「クマンツメ」は、橋梁補修工事の舗装版剥ぎ取りで、1次剥ぎ取りを切削機で行い、2次剥ぎ取りとしてバックホウの刃先に特殊なエッジ(クマンツメ)を取り付けて、舗装版を剥ぎ取るもの。従来のような剥ぎ残しが少なくなるため、作業効率の向上が期待できる。
刃先には耐摩耗性に優れる特殊鋼(ボロン鋼)を使用し、刃先の先端が鋭利で剥ぎ取りやすい形状にした。ボロン鋼を使用することで、ツースの交換頻度が減少するとともに、刃先の形状を鋭利にしたことで剥ぎ取り効率が向上する。橋梁舗装版やマンホールの周辺、防水層の剥ぎ取りなどに適用できる。
20年度の推奨技術、準推奨技術、評価促進技術に選ばれた新技術は次の通り(カッコ内は開発者)。
【推奨技術】▽クマンツメ(コマツレンタル宮崎)―アスファルト舗装版打ち換えに伴う不陸整正切削除去器具
【準推奨技術】▽ロードライン マーキュリー ドライサポート工法(日本ライナー)―水性路面標示用塗料の乾燥を著しく早める工法▽CI-CMC-HA工法(不動テトラ、ソイルテクニカ)―硬質地盤に適応した大径・低変異の深層混合処理工法▽トリグリッド(岡三リビック)―樹脂製の補強材と独自開発の溶接金網とを組み合わせたジオテキスタイル補強土壁工法)
【評価促進技術】▽スロープガードフェンス工法(プロテックエンジニアリング)―崩壊土砂・落石・雪崩防護フェンス▽小口止太郎(ヤマウ、イズコン)―小口止め用プレキャストブロック。