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建設現場の週休2日、「4週8閉所」が有効 国交省

 国土交通省は6月19日、改正建設業法の「工期に関する基準」を検討する中央建設業審議会のワーキンググループを開き、基準案を提示した。基準案では、前回会合の議論を踏まえ、建設業に週休2日を定着させるための意識改革には「4週8閉所の確保が有効な手段」と記載。現場を稼働させたままでの交代勤務制は、トンネル工事や災害対応で有効との見解を示した。

 工期に関する基準は、改正建設業法で「著しく短い工期」を禁止したことに伴い、中建審が作成すると定めたもの。許可行政庁は、この基準と過去の同種工事の実績を踏まえ、著しく短い工期と判断した場合に勧告・指示処分を下す。

 民間工事の週休2日を巡っては、現場閉所による週休2日実現を望む受注者と、交代制などによって現場稼働については継続を望む民間発注者との間で主張が異なっている。

 19日の会合に示された基準案では、建設業に入職する若年層に対して建設業の魅力を高めるには「他産業と同じように、建設業の担い手一人一人の週休2日(4週8休)を確保していくことが重要」と記載。その上で、これまでの4週4休の価値観を転換するためにも、4週8閉所が「意識改革のための有効な手段の一つ」との考えを示した。

 その一方で、トンネル工事や災害対応などの工事には交代制が有効との見解を示すとともに、工事規制のある道路工事、山間部・遠方地で作業する電力工事、鉄道工事などについては、必ずしも4週8閉所が適当とは限らないともしている。

 さらに、この基準が「(受発注者の)相互にとって有益な関係を構築するための基準」とも明記。建設業の長時間労働を是正することで、発注者も質の高い建設サービスを享受できるとした。

 基準案は、土木分野の工期設定に関する記述を追加し、次回30日の会合でワーキングとしての最終案をまとめる。7月下旬に開く中建審総会に諮り、実施勧告する。「著しく短い工期の禁止」を含む改正建設業法は10月1日に施行される。