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施工管理にICT、モデル事業で重点支援 国交省

 国土交通省は、施工管理にICTを活用している地域建設業を支援するモデル事業を立ち上げる。現場の生産性向上のために、タブレットやウエアラブルカメラなどのICTツールを施工管理に活用したモデルを約20件選び、必要経費を助成したり、効率化を指導する専門家らを派遣する。改正建設業法では、10月から監理技術者の兼務が認められるため、モデル事業の成果を、遠隔地から行う効率的な施工管理に生かしてもらう。

 建設業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)で現場の生産性を高めるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する非接触化に対応したICT活用を支援する。国交省は、事業の実施機関を決めた上で、8月にもモデル事業の支援対象を公募。合わせて、ICT活用などに関する相談窓口も設ける。

 10月1日に施行される改正建設業法では、監理技術者が2現場を兼務することが認められる。それぞれの現場に「監理技術者補佐」を専任で配置することが条件。

 2現場を兼務する場合でも、監理技術者には監理技術者補佐を統括し、施工管理する役割が求められる。監理技術者が遠隔地にいても、ウエアラブルカメラやタブレットなどのICTツールを活用すれば、施工管理を効率化する効果が期待できる。

 モデル事業では、施工管理の効率化につながるICTツールの他、人工知能(AI)・ロボット、デジタルサイネージを活用した作業計画・安全啓発動画の配信なども支援対象にする。1件当たり300~500万を助成することを想定している。

 ICT活用の20件に加え、多能工の育成(5件)や事業承継(5件)に取り組む建設企業も支援対象に選ぶ。モデル事業の成果は、セミナーの開催などを通じて広く他の企業に展開する。