国土交通省は、建設キャリアアップシステム（ＣＣＵＳ）の登録情報を活用した「建設技能者の能力評価制度」について、すでに能力評価基準を定めた３５職種以外の技能者や多能工に対する評価手法を検討する。２０２０年度中に評価手法をまとめ、２１年度から全ての技能者が能力評価を受けられる環境を整える。
登録基幹技能者講習のある３５職種では、３月末までに能力評価基準が認定され、４月から「レベル判定システム」で評価申請の受け付けが始まった。ＣＣＵＳの登録情報を活用した技能者のレベル判定が本格的にスタートしたが、基準のない職種の技能者はＣＣＵＳに登録してもレベル判定を受けることができない。
国交省は、２１年度から全ての技能者が能力評価が受けられるよう、２０年度末までに３５職種以外の技能者の評価手法をまとめる。就業履歴のカウントが難しい多能工の評価手法も検討する。
現在は、専門工事業団体が能力評価基準を策定しているが、元請けやハウスメーカーが所属する建設業団体も基準を策定し、能力評価の実施団体とすることも検討する。
一方、現行のレベル判定の最高位であるレベル４を超える「レベル５」の設定も視野に入れる。評価指標としては、仕事の出来栄え、コミュニケーション能力、元請けの推薦、社内評価・表彰、賃金実績などとすることを考えている。
これらの検討結果を踏まえ、２０年度中に能力評価制度のガイドラインを見直す見通しだ。