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宮崎市役所庁舎は「建て替え」整備 建設場所選定へ

 経年に伴う老朽化や機能の分散化、狭隘化などが課題となっている宮崎市役所の庁舎に関して、戸敷正市長は6月8日に開催した市議会全員協議会で、施設の整備を「建て替え」で行う方針を示した。現在地を含む橘通り周辺、宮崎駅周辺、中村町周辺、南宮崎駅周辺の4つのエリアを候補地とし、2020年度末までに建設場所を決定する。

 防災拠点としての耐震性や洪水による浸水の可能性、分散化・狭隘化など現庁舎が抱える課題を踏まえ、市は17年に「推定耐用年数である平成40年(2028年)までは維持管理を行いながら現庁舎を活用し、その間、基金等の財源確保に努め、建て替えを含めた庁舎のあり方を更に検討する」との方針を示していた。

 その後、学識者や関係機関・団体の代表、公募市民らで組織する市民懇話会を設置。懇話会では、現庁舎が抱える課題を抽出し、施設の整備イメージや求められる機能等について議論を重ね、庁舎整備の大きな方向性として「更なる長寿命化ではなく、庁舎の建て替えが望ましい」とする報告書を19年3月に戸敷市長に提出した。

 懇話会の中で、市が参考として示した整備イメージは、現地建て替えが分棟方式及び1棟集約方式の5パターン、移転建て替えが1棟集約方式の2パターン。いずれも、関係法令の制約の中で考え得る最大限の規模(延床面積4.5万~5万m2)を想定した。

 空敷地を利用した現地での分棟方式の場合、整備期間を約7年~8.5年、事業費を約231億円~262億円と概算。同じく1棟集約方式の場合は、整備期間を約7年、事業費を約236億円~262億円と概算した。移転建て替えの場合は、整備期間を約4年、概算事業費を約237~275億円と概算した。

 市は今後、有識者や市民らで構成する検討会を設置し、そこで寄せられた意見等を踏まえて、4つのエリアの中から建設場所を決定する。計画では、21~22年度に基本構想等を策定し、23年度以降に基本設計、実施設計に着手する予定でいる。