日本放送協会(NHK)は、2020年度の事業計画で、建設計画に総額952億6000万円の予算を計上した。東京・渋谷の放送センターの建て替えで、第Ⅰ期工事の情報棟の実施設計を進めるとともに、既存施設の解体工事に着手する。また473億5000万円を投入して放送番組設備整備を推進する。
放送センターの建て替え第Ⅰ期工事では、竹中工務店・久米設計JVの設計・施工で、鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造(免震構造)地下1階地上11階建て延べ7万6966m2の情報棟を建設する。20年度は、実施設計を進めるとともに、9月から建設地にある現放送センターのふれあいホールなどの解体に着手する。Ⅰ期工事の情報棟は25年の運用開始、26年度末の完成を目指す。
放送センターの建て替えを含む放送会館整備計画の予算額は96億6000万円。放送センター第Ⅰ期工事の設計などのほか、奈良・札幌・大津・佐賀・富山・松江の放送会館の整備などを進める。
473億5000万円を投じる放送番組設備整備計画では、緊急報道対応設備や番組の充実、番組配信のための設備を整備する。また、老朽の著しい放送番組設備の更新などを行うほか、安定的な放送・サービスを継続するための設備を整備する。
また、新放送・衛星放送施設整備計画に43億9000万円を計上した。4K・8Kスーパーハイビジョン設備の整備を行うほか、衛星テレビジョン放送の送出設備など衛星放送設備を更新する。
テレビジョン放送網整備計画の予算は143億6800万円。受信状況改善のための設備を整備する。また老朽の著しい放送設備の更新などを行う。さらに地震や停電などに備え、放送所の電源設備などの機能を強化する。
ラジオ放送網整備計画には63億7200万円を充てる。外国電波による混信などの受信状況を改善する中波放送局の建設やFM放送局の建設調査を行う。また老朽化の著しいラジオ放送設備の更新などを実施する。さらに災害に備えた中波放送局を建設するほか、地震や停電などに備え、放送所の電源設備などの機能を強化する。
このほか、研究施設と一般施設整備計画に92億5000万円を計上。新しい放送技術の開発のための研究設備を整備するほか、局舎設備などの整備を進める。