川南町は、学校施設の長寿命化や施設更新に伴う財政負担の軽減・平準化を図るため、「学校施設等長寿命化計画」を策定した。対象施設は、小学校5校と中学校2校、共同調理場1施設。計画期間は2020年度から29年度までの10年間とし、社会情勢や教育環境の変化等への対応が必要となった場合は計画の見直しを行う。
計画では、学校施設の目指すべき姿や施設の運営状況、児童・生徒数の変化、施設の健全性評価及び劣化状況評価を踏まえ、今後の維持・更新コストの比較検討を実施。文部科学省が推奨する長寿命化型で更新した場合、今後40年間の維持・更新コストの総額は増加するが、当初の10年間の年間平均費用は半減すると試算した。
今後も年少人口が減少することが想定され、現状の小学校5校と中学校2校を維持することが困難であることから、まずは中学校2校を統合した新たな中学校を町の中央部に配置し、その後に小学校の再編を検討していく考えを示した。新たな中学校は26年度の開校を目指し、3箇年計画で施設の整備を行う考えでいる。
学校再編を行うまでの期間は、定期的な点検を行い、安全性や学校機能の確保を考慮しながら、必要最小限の補修等を行うことで施設の延命化を図る。ただし、緊急時の避難所や地域住民が日常的に利用する屋内運動場のほか、再編後に利用が見込まれる建物については、予防保全の考えに基づく改修等を行い、施設の長寿命化を図る。
施設整備の方向性として、古くなった照明器具はLED照明に更新し、老朽施設の屋根防水や外壁のクラック補修、サッシ回りのシーリング打ち替えを行う。屋内運動場に関しては、天井・ガラス等の非構造部材の耐震化を進め、落下防止措置を講じる。このほか、スロープを整備するなどして、施設のバリアフリー化も推進する。