延岡市は、施設の統廃合やダウンサイジングを考慮した水道システムの再構築等の基本的な方向性を示した「延岡市上水道基本計画」を策定した。今後15年間で取り組む水道施設の耐震化や配水管の布設替えに係る年度ごとの事業計画のほか、統廃合やダウンサイジングを実施した場合の50年後の水道事業の姿を示した。
安全・安心な水を市民に提供をするため、市はこれまでに耐震化計画やアセットマネジメント、新水道ビジョンなどを策定。2018年度には、将来を見据えた上水道の基本計画を策定したが、水道事業を取り巻く情勢や需要者のニーズの変化を再度分析・評価し、それらの検討結果を「延岡市上水道基本計画」としてとりまとめた。
計画では、現況の91施設を対象に施設の統廃合や適正規模へのダウンサイジングを進め、50年後に34施設減の57施設とする水道事業の姿を設定。水道施設を削減することで、施設の工事費及び維持管理費で94億円、管路の工事費及び維持管理費で9億円の削減が見込まれ、合計で103億円の削減効果が期待できるとした。
これに向けた水道施設の更新時期や耐震化、バックアップ体制を考慮しつつ、段階的な整備計画を水系ごとに具体化し、18年度から32年度までの15年間の事業実施スケジュールも作成した。現状を確認して優先順位等の見直しなどを行いながら、計画的な施設の整備を進める。
基本計画によると、三輪水源系では18~21年度にかけて、三輪浄水場送水ポンプ等耐震化工事(ポンプ室・浄水池・ポンプ・水源保全)を実施。古城水源系では21~25年度にかけて、古城浄水場送水ポンプ等耐震化工事(ポンプ室・浄水池・ポンプ)を行う。
祝子水源系では、19年度と22~23年度に富美山加圧配水ポンプ場整備工事、21年度に富美山加圧配水区配水管新設工事、18~22年度と25~27年度に新祝子配水池整備工事を行うほか、21~29年度にかけて送水管新設工事や配水本管新設工事、配水本管布設替工事、送水ポンプ切替工事などを実施する。
細見水源系では配水本管新設工事(22~25年度)や配水本管新設工事(27~28年度)、取水井増設工事(28年度、31~32年度)などを実施。上北方水源系では送水管耐震化工事(21~22年度)など、多良田水源系では瀬口地区拡張工事(18~22年度)、北浦水源系では古江配水池増強耐震化工事(22~23年度)などを行う。