東京商工リサーチがまとめた「新型コロナウイルスに関するアンケート」の結果によると、新型コロナウイルス感染症による建設業への影響は、他産業よりも比較的小さいことが分かった。産業別(10分類)の回答結果のうち、建設業で「すでに(影響が)出ている」と答えたのは56.2%となり、全産業の中で最低だった。一方で「今後出る可能性がある」は41.3%で全産業中で最も高かった。
建設業について会社の規模別の回答をみると、中小企業で「すでに出ている」は54.7%、大企業は71.9%。中小企業は全産業中で最も低く、大企業は農・林・漁・鉱業の61.5%に次いで低かった。
現在の状況が続いた場合に何カ月後の決済(仕入や給与などの支払い)が心配かを聞いた質問では、不安になる時期が「3カ月以内」と回答した割合は全産業計で40.9%。一方、建設業は「3カ月以内」が35.8%となり全産業計を下回った。建設業の規模別では、中小企業が36.2%、大企業が23.5%だった。
政府が打ち出している新型コロナウイルス感染症特別貸付やセーフティネット貸付・保証の利用については、全企業のうち10.7%が「利用した」、43.5%が「今後利用する可能性がある」と回答。資本金1億円未満の会社だけを見ると、12.4%が「利用した」、47.4%が「今後利用する可能性がある」となっており、合わせて約6割を占めた。
調査は4月23日~5月12日に実施。有効回答は2万1741社。