宮崎県は、宮崎市熊野の総合運動公園に津波避難施設を整備する計画を進めている。敷地を3つのエリアに分割し、避難デッキ4基やメインスタンドデッキ2基(陸上競技場)、盛土高台1箇所を整備する計画。19年度に避難デッキ建設工事の一部を発注しており、20年度は残る避難デッキや盛土高台の整備を行う見通しでいる。
スポーツランドみやざきの中心施設である総合運動公園は、年間約139万人が利用しており、二巡目国体に向けて更なる施設利用者の増加が見込まれる。一方で、今後30年以内に大地震が発生する可能性が高まっていることから、避難困難者が生じる可能性がある敷地内の各エリアに新たな津波避難施設を整備する。
サンマリンスタジアムを中心とするAエリアには避難デッキ2基と連絡橋、第一陸上競技場を中心とするBエリアには盛土構造の避難高台とメインスタンドデッキ2基、テニスコートや運動広場を中心とするCエリアには避難デッキ2基をそれぞれ整備する。これらの施設整備に係る概算事業費を約60億円と試算する。
Bエリアでは、地元からの要望や避難の優位性及び経済性、通常利用を考慮し、第一陸上競技場西側の中央広場に盛土高台(広さ約1・2㌶、計画高さ約10m)を整備するとともに、第一陸上競技場にメインスタンドデッキ2基を整備する。Bエリアの整備事業費は、盛土高台が約28億円、メインスタンドデッキが約8億円。
4月24日には、盛土高台整備に伴う地盤改良工事5件と付替水路工事2件の条件付一般競争入札を公告済み。5月18日には、同じく条件付一般競争入札で、路体盛土(8・6万m3)や盛土補強、法面整形を施工する1期工事を公告した。メインスタンドデッキの建設工事も20年度に発注する予定でいる。
一方、Aエリアでは、サンマリンスタジアムの1塁側と3塁側にそれぞれ避難デッキを整備する。19年度に3塁側の避難デッキ工事を発注済み。20年度は1塁側の避難デッキ工事と連絡橋工事を発注する。連絡橋上下部工は4月24日に入札公告済みで、5月22日に開札する。Aエリアの事業費総額は約11億円を見込む。
避難デッキ2基の整備を計画するCエリアでは、19年度にテニスコート付近の避難デッキ工事を発注済み。20年度は運動広場付近の避難デッキ工事を発注する予定でいる。Cエリアの事業費総額は約13億円を見込む。