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えびの地区河床低下対策を推進 川内川事務所の事業概要

 国土交通省九州地方整備局川内川河川事務所は、2020年度の事業概要を明らかにした。薩摩川内市街部の引堤事業や川内川高潮対策事業、えびの地区河床低下対策事業のほか、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策に伴う河道掘削等を推進する。

 川内川河川事務所管内の20年度事業費は、河川改修費(工事諸費及び河川維持修繕費を除く)が67.5億円、河川工作物応急対策事業費が2.3億円、総合水系環境整備事業費が1.9億円など。総額は約72億円で、前年比9%の増額となった。

 薩摩川内市街部の治水安全度向上のため、大小路地区と天辰第二地区の引堤事業を継続する。大小路地区では旧堤撤去等を実施し、治水安全度向上の効果を発現させる。天辰第二地区では、堤防整備に着手するとともに、樋管整備や用地取得等を行う。

 19年度から着手している川内川高潮対策事業では、河口部に位置する船間島・久見崎地区で台風通過時に海水が越波し、工場倉庫等の冠水及び市道の路面損傷等の被害が発生しているため、堤防高さが不足している箇所の嵩上げ等に取り組む。

 河床低下が進む川内川上流部のえびの地区では、護岸や堤防、床固め等の河川管理施設への影響が懸念されている。12年度から河床低下対策として河床に巨石等を敷並べる工事に着手しており、20年度も侵食対策として河床低下対策工事を促進する。

 防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策では、薩摩川内市五代地区や東郷地区の堤防強化、伊佐市堂崎地区や伊佐市菱刈地区、湧水町栗野地区の河道掘削・樹木伐採、堤防裏法尻の補強、東郷排水機場及び竹下排水機場の耐水化対策に取り組む。

 このほか、安全な河川利用や河川を中心とした流域全体の地域活性化等を目的とした「川内川水系かわまちづくり計画」に基づき、薩摩川内市街部やさつま町湯田地区に於いて、高水敷整正や管理用通路の整備などを実施する。