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担い手確保、中学生との「接点」必要 振興基金調査

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 中学生の時に建設業の職場体験に参加した工業高校生は22%―。建設業振興基金が建設業との『接点』をテーマに工業高校生を対象とした調査を実施した。調査結果によると、中学校時代に業種を問わず職場体験に参加したことがある工業高校生は85%に上ったが、建設業の職場体験に参加した生徒は22%にとどまった。同じ調査では、卒業後の進路として建設業を希望している生徒の65%が「中学校以前に進路を決めていた」と答えており、中学生向けに「建設業の魅力発信」の機会を増やすことが担い手確保のカギになると言えそうだ。

 2019年12月から20年1月に行った調査には、宮城県、群馬県、東京都、岐阜県、岡山県、熊本県の建設系学科に在籍する工業高校生1092人が回答した。

 中学校教育での職場体験は、キャリア教育の一環として浸透率が高く、職場体験に参加した生徒の80%は学校が用意したリストから企業を選んでいる。ただ、リストの中に建設業があったと回答した工業高校生は19%にとどまっており、他業種と比べて、職場体験を受け入れる建設会社が少ないのが実態だ。

 ただ、工業高校に入学した理由として「就職に有利だから」と回答した生徒のうち、高校入学時点で建設業を希望職種としていた生徒は65%。建設業に就職を希望する工業高校生のうち、就職を希望するようになった時期は中学生が48%、小学生が14%、小学校入学前が3%と合計で65%に上っている。

 こうした調査結果を踏まえ、振興基金の調査報告書では、中学生と建設業の接点をつくる『魅力発信の場』を拡大することを提言。学習指導要領で職場体験を求められる中学校は、受け入れ先の確保に苦労している。一方で、受入実績の少ない建設業との交渉は中学校にとってハードルが高く、「産学官の連携」によるアプローチが必要だと提案している。

 例えば、群馬県と群馬県建設業協会は、中学生の受け入れ可能なリストを県内の中学校に配布した結果、職場体験に参加する中学生が増加した。宮城県では、県建設業青年会が教育現場と建設企業とのマッチングを行っているという。

 報告書ではこのほか、自社の研修施設を中学生の職場体験に活用している矢作建設工業(名古屋市)、約10年前から地元の中学生を職場体験で継続的に受け入れている坂本土木(岐阜県飛騨市)など、各企業の先進的な取り組みも掲載している。