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測量の革新的技術、パスコ・KDDIがA評価 地理院

 国土地理院は、測量の生産性を向上させるための革新的技術の導入・活用プロジェクトで、公募により選定した6技術の試行結果を明らかにした。電子基準点の利用促進や機能高度化に向けた試行では、パスコの「マルチGNSS測量の利用促進を図る技術」と、KDDIの「電子基準点の通信方法の高度化を図る技術」の試行を、それぞれ最高の「A」と評価。また、栄光エンジニアリングの電子基準点に関する2技術と、アジア航測の3次元測量に関する2技術をそれぞれ2番目の「B」と評価し、一定の研究成果を確認した。

 このプロジェクトでは、さまざまな分野の知見を結集させ、測量の生産性を向上させる技術を開発する。得られた成果は、電子基準点の技術開発や、3次元地図の作成手順、UAVを用いた公共測量マニュアル案などの検討に生かす。

 電子基準点に関する試行のうち、パスコはGPSや準天頂衛星など4種の測位衛星と測位信号を組み合わせて解析した。

 KDDIは複数の通信環境で電子基準点からのデータ送信を検証し、5Gで遅延量が低下することを確認した。

 栄光エンジニアリングは電子基準点のバッテリーの劣化監視と、障害物監視技術の高度化を試行した。

 3次元測量に関する試行では、アジア航測が、異なる手法で取得した3次元点群データの統合や、2次元基盤地図情報の3次元化を実施。3次元地図作成の効率化という成果を挙げた。

 アジア航測はまた、UAVによる写真測量で鉛直直下方向と斜め方向を組み合わせた解析を実施。標定点を減らせる効果を確認した。