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強靱化地域計画案を作成、5月8日まで意見募集 串間市

 串間市は4月20日、国の国土強靱化基本計画に基づく「串間市国土強靱化地域計画案」をまとめ、ホームページで公開した。大規模災害等で「起きてはならない最悪の事態」を回避するため、各施策分野ごとに課題や取り組むべき事項を示した。市内居住者や在勤者等を対象に、5月8日まで計画案に対する意見を募集する。

 国土強靱化地域計画は、国の国土強靱化基本計画に基づいて地方自治体が定めるもの。政府は、強靱化関係の交付金及び補助金に関して、市区町村単位で策定する地域計画に基づく事業に重点配分するとの方針を示すとともに、今年度に完了を予定する3カ年対策以降の施策を考える上でのバックデータと位置付けている。

 串間市の地域計画案では、国の基本計画や宮崎県の地域計画、市の長期総合計画との連携を図りつつ、災害から市民の生命と財産を守り、迅速に復旧・復興が可能となる「強さ」と「しなやかさ」を持った、安全・安心な国土・地域・経済社会の構築を目指す。2024年度を目標年次とし、必要に応じて計画の見直しを行う。

 計画案では、自然災害に伴うリスクと市の特性を踏まえ、事前に備えるべき目標の妨げとなる「起きてはならない最悪の事態」を想定。これを回避するための施策分野に、▽行政機能・消防・防災教育▽住宅・都市▽保健医療・福祉▽産業▽交通・物流▽農林水産―など9分野を設定し、各分野ごとに強靱化の推進方針を示した。

 具体的には、大規模災害の発生に備えた被災者台帳システムの導や、災害対策本部が設置される庁舎への非常用電源設備の導入、防災拠点となる庁舎の耐震化、庁舎が被災した場合に備えた代替拠点の確保、業務継続計画の不断の見直しと訓練の実施、災害時のボランティア及びNPOの活用体制の整備などに取り組む。

 また、指定避難所と位置付ける小中学校の非構造部材等を含めた耐震化や、住宅耐震化に係る市民への啓発、上下水道施設の耐震化や老朽化対策の実施、津波避難路及び津波避難施設の整備と避難場所(民間ビル等)の確保、避難所運営マニュアルの策定と周知、民間事業者等と物資調達・供給確保のための協定締結も進める。

 このほか、広域交通ネットワークの機能確保に向けた東九州自動車道の早期整備の推進、農業水利施設の耐震化を図るための状況調査、河川改修による災害に強いまちづくり、土砂災害対策や山地災害対策、道路防災対策の推進、長寿命化修繕計画に基づく橋梁等の改修、ハザードマップの策定及び周知などに取り組む。

串間市国土強靱化地域計画案