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陸上競技場、体育館、プールの進捗状況を公表 宮崎県

 宮崎県は、2026年に本県で開催される国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の主要施設整備に係る進捗状況を明らかにした。陸上競技場は、今月までに基本設計が完了する予定で、その後、実施設計に着手する。体育館は先月から実施設計に着手しており、今月に延岡市と協定書及び覚書を締結する方針。プールは、PFI法に基づく実施方針と要求水準書案を今月に公表する予定でいる。

 総合運動公園をはじめとする県有体育施設の多くで経年に伴う老朽化が進み、国民スポーツ大会等の開催に必要となる施設基準を満たしていないなどの課題を抱えている。このため、大会の主会場と位置付ける陸上競技場を都城市山之口運動公園に、体育館を延岡市民体育館敷地に、プールを宮崎市内にそれぞれ整備する。

 山之口運動公園の区域を拡張して新設する陸上競技場は、第1種公認の主競技場(床面積合計2万5000m2程度)や第3種公認の補助競技場、投てき練習場、多目的広場、公園施設、調整池、駐車場等を整備する。佐藤・益田設計業務共同企業体が担当する主競技場等の基本設計が今月までに完了する予定で、その後、実施設計に着手する。

 基本計画段階で200億円程度としていた概算工事費は、基本設計のとりまとめ段階で214億円程度にまで膨らむ見通し。内訳は、主競技場が120億円、補助競技場が20億円、投てき練習場が4億円、公園施設(東側)が20億円、造成・調整池(東側)が30億円、造成・調整池(西側)が10億円、駐車場(西側)が10億円。

 このうち、▽主競技場▽投てき練習場▽造成・調整池(東側)―の整備は県が実施し、▽補助競技場▽公園施設(東側)▽造成・調整池(西側)▽駐車場(西側)―の整備は市が実施する。市が実施する工事60億円のうち、国の交付金は最大で30億円、市の負担額は20億円で、10億円が県の負担となる。

 延岡市民体育館の敷地内に新設する体育館は、メインアリーナ及びサブアリーナを段階的に整備する。基本設計段階の建築規模は、低層部が鉄筋コンクリート造、屋根部が鉄骨造と木造、地上2階建、延床面積は1万2980m2。メインアリーナには固定席2008席と可動席1944席、サブアリーナには固定席504席を配置する。

 施設整備に係る設計業務は石本・宮崎設計業務共同企業体が担当。今年2月に基本設計までが完了し、同月に実施設計に着手した。基本設計段階に於ける概算工事費は、県が整備する体育館建設工事と外構工事が83億円。市が整備する敷地外駐車場工事と既存施設解体工事は、未設計のため概算工事費を算出していない。

 新たな体育館は、県と延岡市が共同で整備することから、「新体育館建設、敷地内駐車場その他外構工事については県の役割とする」「敷地外駐車場の用地取得・整備及び既存体育館解体工事については市の役割とする」「整備の役割分担に応じた費用をそれぞれが負担する」―といった協定書及び覚書を3月中に締結する。

 宮崎市錦本町の県有グラウンドには、国内一般AA基準に準拠した競泳用50mプール及び25m補助プールを整備する。観客席は仮設を含めて2500席程度で、施設全体の想定面積は1万2120m2程度。プールの整備・運営にはPFI手法を導入し、プール以外の余剰地に、相乗的な効果が期待できる民間収益施設の整備を想定する。

 施設整備に際しては、民間の資金やノウハウを活用するPFI手法(BTO方式)を導入する見通し。県プールに関する提案と民間収益事業の提案を一体的に募集し、事業者の選定を行うが、事業期間が異なることや、民間収益事業の収支が悪化した場合にプールの運営に影響を及ぼさないよう、会計処理等は個別に行う。

 スケジュール案によると、今月にPFI法に基づく事業の実施方針や要求水準書案を公表し、4月までに実施方針等に関する説明会の開催や質問・意見の受け付けを行う。その後、9月に特定事業の選定を行い、11月に入札公告を行う見通し。21年4月に提出書類の受付、6月に落札者の決定・公表を行い、7月に基本協定を締結する。