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フルハーネス型、20年度から入札要件に 直轄営繕

 国土交通省は、2020年度から直轄の営繕工事で高所作業に従事する作業員に墜落制止用器具(フルハーネス型)を着用させることを入札の要件にする。20年度の公共建築工事積算基準類の改定で、予定価格に墜落制止用器具の費用を加算することを決めており、フルハーネス型着用の原則化が完全施行される22年1月を前倒して着用を義務付ける。

 厚生労働省は、高所作業で使用される安全帯を墜落制止用器具(フルハーネス型)に改める労働安全衛生法施行令などを19年2月に施行。ただ、フルハーネス型は現在も使用可能だが、原則化までの猶予期間が設けられており、22年1月2日の完全施行までは現行の安全帯も使用できる。

 直轄の営繕工事では、この猶予期間を待たず、20年4月から墜落制止用器具(フルハーネス型)の着用を入札の要件にする。これに伴い、3月27日に改定した「公共建築工事積算基準等資料」で、墜落制止用器具(フルハーネス型)の元請け負担分、下請け負担分を加算し、必要経費も発注者が負担することにした。

 同省の試算によると、工期20カ月の庁舎新築工事では14万4000円を上乗せすることになるという。

 このほか、改定した積算基準等資料では、法定外の労災補償保険への加入を入札の要件とすることに伴い、現場管理費を補正。直接工事費3億円の庁舎新築工事では30万円の上乗せとなる。公共建築工事標準単価積算基準の改定では、複合単価・市場単価・見積単価に下請け経費と法定福利費が含まれていることを明確化した。