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働き方改革推進など、2020年度事業計画 全建

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、2020年度の事業計画をまとめた。公共事業予算の持続的・安定的な確保に向けた提言・要望をはじめ、地域建設業の働き方改革の推進、建設キャリアアップシステム(CCUS)への対応、女性の定着や高齢者の活躍に向けた環境整備、生産性の向上などを盛り込んだ。

 事業計画の柱は①安定的な公共事業予算の確保と災害に強い国土づくり②働き方改革の推進による職場環境の整備③地域建設業の経営基盤の強化④建設業における社会的責任への取り組み⑤戦略的広報の展開―など。

 働き方改革では、24年4月から建設業にも適用される時間外労働の罰則付き上限規制を見据え、週休2日を拡大する「休日 月1+(ツキイチプラス)運動」などを推進する。

 CCUSへの対応では、会員企業の「モデル現場」で見学会を実施するとともにシステムのメリットや課題を収集。また、会員企業でのシステムの稼働状況や課題などを把握し、効果や利便性の向上に向けて提言や要望を行う。

 高齢者の活躍に向けた環境整備では、短時間勤務など雇用形態の多様化をはじめ、雇用管理制度の改善などの取り組みについて会員企業に調査。好事例を収集し、情報発信する。

 また、生産性の向上に向けて、会員企業に意見を聞き、ICT活用の小規模工事への導入の課題や、人材育成・設備投資などの課題を把握・整理。国土交通省のi―Construction関連委員会などで環境整備に取り組む。

■女性定着促進へ新ロードマップ策定

 全国建設業協会は、建設業での女性の活用を推進するため『地域建設業における女性の定着促進に向けたロードマップ』をまとめた。2024年度までを計画期間とし、その間、「女性の入職者数に対する離職者数の割合」を前年度比で減少させる。また、「入職者に占める女性の割合」を前年度比で増加させる。さらに、全都道府県協会に女性部会を設立し、それぞれ「建設産業女性定着支援ネットホーク」への加入を目指す。

 全建では15年に『建設業における女性の活躍の場の拡大へのロードマップ』を策定し、会員企業での取り組みを促進してきた。その結果、15年に採用した男女比率は男性84・4%、女性15.6%だったが、19年は男性80.8%、女性19.2%と、女性の比率が増加した。また、都道府県協会での女性部会の設置数も、14年度の4部会から、19年12月末現在で16部会に増加した。

 国土交通省と建設業5団体、建設産業女性活躍推進ネットワークが今年1月、『女性の定着促進に向けた建設産業行動計画』をまとめたのを機に、これまでの取り組みの成果を踏まえ、採用した女性の就業の継続に力点を置く新たなロードマップを策定した。

 新ロードマップでは三つの柱として①働き続けられるための環境整備を進める②女性に選ばれる建設産業を目指す③建設産業で働く女性を応援する取り組みを全国に根付かせる―を掲げた。

 働き続けられるための環境整備では、女性の定着に向けた社員の意識改革や働き方改革をはじめ、「働きがい」と「働きやすさ」が両立する環境整備や、出産などによる一時離職後の職場復帰などを促進する。さらに、現場での女性の登用や、女性の技術・技能の向上などスキルアップの環境を整える。