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団地跡地活用、交流拠点整備へ基本構想案 三股町

 三股町は、五本松団地跡地を活用した「交流拠点施設整備事業」に係る基本構想の素案をまとめた。町民の暮らしをターゲットとして、生涯学習機能や文化活動、広場といった多用途空間提供機能のほか、フィットネスや屋内プールといった特定目的達成機能、飲食店や特産品等の販売といった稼ぐ機能の導入を想定している。

 人口減少問題への対応や中心市街地の活性化を目的に、生涯学習や地域活動、健康増進、身近なスポーツの振興を図りつつ、子どもや子を持つ親を取り巻く環境の変化といった新たな地域のニーズを踏まえ、五本松団地の跡地を活用して交流拠点施設を整備する。施設整備に係る基本構想の策定はランドブレインが支援する。

 拠点づくりの方向性などを町民と話し合いながら考えるため、町は昨年8月から今年1月にかけて計5回のワークショップを開催。町有施設等の現状や地域の課題、魅力の抽出、拠点施設の果たす役割と機能、拠点施設の活用コンセプト・機能配置(ゾーニング)などについて意見を交換・共有し、基本構想の素案をまとめた。

 素案では、町が抱える様々な課題から、拠点施設を整備することで解決できる可能性がある課題を抽出。町民ニーズと公共性・公益性を整理し、三股駅や武道体育館、町役場、総合文化施設といった中心地ゾーンの施設配置を踏まえ、「五感に優しい、居心地の良い まちのたまり場」を拠点づくりのコンセプトに掲げる。

 導入機能に関しては、多用途空間提供機能として、中央公民館の生涯学習機能を移転させるほか、文化活動の場、子どもの居場所、親子が触れ合える場とすることを想定。特定目的達成機能として、気軽に運動やスポーツに親しむことができる広場やウォーキングコース、フィットネス、屋内プールもイメージする。

 これらの機能に、飲食店の併設や特産品等の販売、チャレンジショップ、健康増進施設の管理運営、テナント誘致、食品加工販売といった「稼ぐ機能」を付加することで、事業の実現性や継続性を高める。遊歩道等を適切に配置し、他拠点との連動性を高めるとともに、非常時の利活用も想定した施設整備を意識する。

 素案では、建物用地と屋外施設用地、駐車場用地の配置を▽機能ごとに分棟▽機能集約1棟▽小規模建物分散配置―の3つのパターンで考察した土地利用の参考イメージのほか、構想を実現するための機能ごとの課題や事業の流れなども示した。

 町は、2020年度に官民連携による施設整備の実現可能性を調査する方針。施設の整備に向けて、基本計画、基本設計、実施設計、建設工事を個別に発注する従来型の発注方式、またはこれらを包括的に発注する包括発注方式のいずれかで進めるかを判断する。

交流拠点施設整備事業の基本構想案