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プール整備運営事業、市場調査の結果公表 宮崎県

 宮崎県は2月25日、県プール整備運営事業に関するサウンディング型市場調査(民間事業者向け)の実施結果を公表した。プールの整備・運営に係るPFI事業と余剰地での民間収益事業を別々に発注した方が最適な提案が可能になるとの意見があった一方、波及効果を創出するためには一体整備が望ましいとする意見もあった。

 宮崎市錦本町の県有グラウンドに、国内一般AA基準に準拠した競泳用50mプール及び25m補助プールなどを整備する。観客席は仮設を含めて2500席程度で、施設全体の想定面積は1万2120m2程度。プールの整備・運営にはPFI手法を導入し、プール以外の余剰地には、相乗的な効果が期待できる施設の整備を想定する。

 PFIの実施方針等の公表に先立ち、事業方式や事業条件等(主に余剰地部分)を整理するとともに、実現性の高い提案の検討を期待し、1月27日~31日にかけて民間事業者を対象とした市場調査を実施。調査には16グループ19社(建設会社9社、設計会社3社、運営会社3社、維持管理会社2社、その他2社)が参加した。

 対話では、事業規模や社会的意義から事業に対する関心が高いことを確認。PFI事業と民間収益事業の一括発注の場合、コンソーシアムの組成が難しいことや社内理解が得られにくいなどの理由から、事業参入には課題があるとする意見があった一方、事業成立可能性について積極的に検討を行いたいとする意見もあった。

 期待される機能に関しては、余剰地面積が広すぎるため、活用する面積を民間事業者の提案に委ねて欲しいとの意見が複数社からあった。また、民間収益事業の検討に際して、「収益性を求めるのであれば商業機能や住居機能を認めて欲しい」「導入機能に応じて地代を減免して欲しい」といった意見も寄せられた。

 事業スキームに関しては、「PFI事業と民間収益事業を別々に発注した方が最適な提案が可能になる」との意見があった一方、「波及効果を生むためには一体整備が望ましい」との意見もあった。リスク分散や参加機会の拡大等の観点から、別契約や民間収益事業の任意提案、民間収益事業の事業期間に関する意見も寄せられた。

 プールの設計・建設期間は、関係機関との調整等が事前に整っていれば3年3カ月で問題ないという意見が多く、プールの維持管理期間は、大規模修繕を含まない15年が望ましいという意見が多かった。光熱水費や建設費の変動等のリスクについては、適切なリスク分担の仕組みを検討して欲しいといった意見が寄せられた。

 今回の市場調査の結果等を踏まえ、県はPFI法に基づく県プール整備運営事業の実施方針を20年3月末に公表する予定でいる。

市場調査の結果