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コロナ対策の影響を回避 適正な代金支払いを要請

 国土交通省は3月11日、新型コロナウイルス感染症の拡大で影響を受ける下請けに配慮し、下請け代金の適正な支払いを求める通知を建設業団体111団体に送った。工事の一時中止、工期延長、資材納入の遅れなどが、下請けに不測の損害を与えないよう、書面による変更契約や支払期限の順守を要請。元請けが「下請けセーフティネット債務保証事業」などの金融支援事業を活用し、支払いに必要な資金を円滑に調達することも促した。

 通知は、土地・建設産業局建設業課長と建設市場整備課長の連名で建設業団体、地方整備局、都道府県、民間発注者などに送付した。政府が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、イベント開催の自粛を10日間程度継続する方針を決めたことを踏まえ、建設業界に下請け代金支払いの適正化を求め、技能者への賃金不払いなどの事態を回避する。

 具体的には、公共工事での一時中止や資材納入の遅延により、元請け・下請け間の契約内容が不透明になり、その後の下請けへの支払いに支障が出る恐れがあるとして、契約変更に伴う見積書の提出、書面契約の徹底を改めて求めた。

 元請けが出来高払いや完成払いを受けた際には、1カ月以内に下請け代金の支払うことを要請。特定建設業者は、下請けが引き渡しを申し出た日から起算して50日以内に代金を支払うことを求めた。

 公共工事では、工事代金債権を担保とする「下請けセーフティネット債務保証事業」や「地域建設業経営強化融資制度」を利用した資金調達を推奨。元請けからの代金不払いに備え「下請け債権保全支援事業」を活用した債権保全を図ることも促した。

 建設工事に関係する資材業者、建設機械・仮設機材の賃貸業者、警備業者、運送事業者なども対策の影響を受ける恐れがあるとして、下請け企業に準じた措置を講じるよう求めている。