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直轄事業の「一時中止」、来週末まで延長 国交省

 国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、直轄事業の受注者に3月15日まで認めていた一時中止措置を来週末まで延長することを決めた。工事・業務の一時中止を実施してる受注者に期間延長の意向を再確認する他、受注者から申し出があれば新たに一時中止とすることも認める。同省は合わせて、一時中止と工期・履行期間の延長による資金繰りの悪化を防ぐ目的で、中間前払金の支払いを受けた受注者が既済部分払いも受けられる特例措置の適用も決めた。

 安倍晋三首相は10日の新型コロナウイルス対策本部で、大規模な感染リスクのある全国規模のイベントの中止・延期・縮小を10日程度継続するよう、イベント主催者らに要請。国交省はこの要請を踏まえ、15日までとしていた一時中止措置の期間延長を決め、11日に各地方整備局に通知した。

 同省が通年の維持工事などを除く全ての受注者に意向を確認したところ、9日までに一時中止を申し出たのは、工事約200件、業務約1200件。

 一時中止措置の延長に伴い、一時中止を選択した受注者に改めて延長の意向を確認する。その他の受注者からの新たな申し出にも応じる。来週末までの期間であれば、感染拡大防止対策の徹底を条件に工事・業務の再開も認める。

 同省では、一時中止に伴って工期・履行期間を延長した場合、請負代金と業務委託料の変更にも応じるとしているが、中間前払金と部分払いの併用を認め、受注者側の資金繰りの不安を払しょくする。一時中止となった現場の受注者がすでに中間前払金の支払いを受けていても、特例として出来高に応じた部分払いを受けることも認める。

 特例措置の適用とともに、手続きの簡素化・迅速化も図る。中間前払金は、工事請負契約書の履行報告書の提出のみで認定を認める。中間前払金には、認定請求後7日以内の認定通知、支払い請求後14日以内の支払い、というルールがあるが、一時中止の対象となった受注者からの申し出の際には一層の迅速化に努める。

 一時中止した受注者が部分払いを求めた場合の既済部分検査を簡素化する。中間技術検査を既済部分検査とみなすことができるようにする他、ウエアラブルカメラなどを活用した遠隔臨場による確認も認める。