建設ネット企画画像 四角 四角

週休2日工事の拡大など、働き方改革への対応 宮崎県

 宮崎県公共三部は、公共事業における働き方改革への今後の対応方針をまとめ、開会中の県議会常任委員会で説明した。建設産業の中長期的な担い手確保を図る観点から、長時間労働の是正や建設産業の処遇改善、建設現場の生産性向上(業務の効率化)に対する取り組みを強化・拡充するとともに、入札手続きの改善を図る。

 労働基準法の改正に伴う時間外労働の上限規制が2020年4月から中小の測量設計業等に適用されることや、週休2日の実現には実態に即した工期の設定や必要経費の確保等が必要であること、生産性向上のためにICT活用工事の更なる普及拡大が必要であることから、これまでの試行結果を踏まえ、今後の対応方針をまとめた。

 長時間労働の是正に対する取り組みでは、週休2日工事の試行対象を現行の「3000万円以上の土木一式工事」から「災害復旧等を除く全ての工事」に拡大し、間接工事費の割増補正を見直す。また、国が見直した「準備・後片付け期間」に準じ、全体工期を35~95日延長する。4月以降に入札公告・指名通知を行う工事に適用する。

 一方、設計委託等業務では、労働環境の改善を図るため、例えば、金曜日に作業を依頼し、翌週の月曜日を期限日としないなど、休日や時間外の作業が伴わないよう、事前に受発注者間で相互のルールを定める新たな取り組みを導入する。4月以降に入札公告・指名通知を行う業務から適用し、4月以降に契約を継続する業務にも適用する。

 建設産業の処遇改善を図るため、新たな公共工事設計労務単価や設計業務委託等技術者単価を3月1日以降に契約する工事・業務から前倒しで適用する。また、労災補償に必要な保険契約における保険料の法定化に伴う現場管理費率の改定や、緊急時など法的休日に作業を伴う場合の労務単価の休日割増などを7月1日から適用する予定でいる。

 生産性向上に対する取り組みでは、工事書類簡素化試行要領を改正し、既に簡素化した9種類の書類に加え、13種類の書類の簡素化を実施する。受発注者双方に簡素化する内容を分かり易く示したガイドラインも策定する。4月以降に入札公告・指名通知を行う工事から適用し、4月以降に契約を継続する工事にも適用する。

 また、工事書類の作成などの現場技術者の負担軽減を図るため、総合評価落札方式の評価項目における企業や配置予定技術者に対する工事成績点の満点評価基準を85点から83点に引き下げる。6月以降に入札公告を行う工事から適用する。

 県土整備部が発注するICT活用工事は、「1500万円以上の土工を含む土木一式工事」に対象を拡大し、法面工など新たな工種を追加する。出来形管理及びデータ納品に要する費用増に対応するため、間接工事費の補正係数を新たに設定し、小規模なICT施工の積算に見積りを活用する。4月以降に入札公告・指名通知を行う工事から適用する。

 このほか、4月以降に入札公告・指名通知を行う工事から、特に必要と認められる工事を除き、中間検査の対象工事を現行の「1000万円以上」から「3000万円以上」に緩和する。入札不落の場合に実施する再度の入札では、現在、予定価格超過者のみとしている参加対象者に「最低制限価格未満者」も加える。