国土交通省は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、受注者が一時中止措置を申し出た直轄工事の現場が、稼働中の約9000件のうち約200件(3月5日時点)あったことを明らかにした。直轄の業務では、大手の建設コンサルタントが社員の在宅勤務を始めたこともあり、約1万2000件の1割に当たる約1200件で一時中止の申し出があった。
政府は2月26日に開いた対策本部で、新型コロナウイルス感染症の早期収束を図るため、感染リスクのある大規模なイベントなどの2週間程度の中止を要請した。国交省は政府の方針を受け、直轄事業の受注者の意向を確認した上で、希望があった場合は3月15日までの一時中止に応じることを決定した。
2月27日に地方整備局などに通知し、全ての直轄事業の受注者(通年の維持工事などを除く)に一時中止や工期・履行期間延長の意向を確認した。その結果、3月5日までに受注者が一時中止を申し出たのは、工事約200件、業務約1200件だった。
受注者の申し出に応じ、発注者が一時中止を通知した工事・業務では、工期延長・履行期間延長に伴う請負代金額、業務委託料の変更にも適切に応じる。工期や履行期間が年度をまたぐことになる可能性がある場合には、繰り越しの手続きもとる。
国交省は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、地方自治体や民間発注者にも同様の措置を講じるよう、要請している。直轄事業では、一時中止を希望しない現場でも、検査・打ち合わせにテレビ会議を活用したり、ウエアラブルカメラなどを活用して遠隔臨場を試行するなど、濃厚接触を極力避けた現場運営を求めている。