国土交通省は、民間提案を踏まえたICT施工の基準類改定案をまとめ、2月26日から意見募集を始めた。スマートフォンなどで撮影した動画で点群データを取得する技術や、重機に搭載したレーザー計測システムで移動しながら点群データを取得する技術など、新技術の現場導入に向けて基準類を見直す。3月中に基準類を決定し、2020年度の直轄工事に適用する見通しだ。
国交省は、ICT施工の普及に向け、直轄工事の基準類に対する施工者やメーカーの提案を19年度に初めて募集。民間からの提案を基準改定や新基準の制定につなげ、ICT機器の活用を拡大するための試みだ。
26日から意見募集を開始したのは三つの基準案で、このうち「地上写真測量(動画撮影型)を用いた土工の出来高算出要領」は、スマートフォンで計測対象の外縁を撮影した動画を活用し、点群データを取得する技術の採用を可能にする。この技術の活用により、UAVなどを活用していた出来高数量計測の省力化が期待できるという。
「地上移動体搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領(土工編)」の改定案では、重機に搭載したレーザー計測システムで、施工中の出来形チェックを効率化。
「空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理要領(土工編)」の改定案では、自己位置を㌢単位で計測できるUAVの投入を可能にし、写真測量の解析精度を向上させる。