国土交通省と厚生労働省は、労働安全衛生法に基づく技能講習修了証や資格者証を建設キャリアアップカード(CCUSカード)で代替することを検討する。技能講習修了証などは、現場携帯の義務があるため、技能者は数十種類の修了証の原本を現場で常時携帯しなくてはならない。2024年度に技能講習情報を一元管理したデータベースとCCUSをマイナンバーを通じて連携させ、CCUSカード1枚で複数の修了証を代替できるようにする。
政府が2月12日に開いた未来投資会議産官協議会(次世代インフラ/スマート公共)で、国交省と厚労省が今後のCCUSの普及方策について報告。この中で、鹿島と日本機械土工協会(日機協、向井敏雄会長)が技能者に携帯義務のある修了証をCCUSカードで代替する措置を講じるよう、政府に要望した。
労働安全衛生法では、危険業務に従事する労働者に技能講習や資格取得を求めており、現場に配置した技能者に講習修了証や資格者証を携帯することも義務付けている。このため、技能者によっては20種類以上の修了証・資格者証の原本を携帯することもある。
厚労省は、技能講習などの登録教習機関が実施した技能講習のデータを一元管理するデータベース「技能講習修了証明書発行事業」(通称・まとまるくん)を04年度に構築したが、DBに蓄積されたデータは全体の7割程度。厚労省はまず、このDBへの情報の集約を進めた上で、技能講習のDBとマイナポータル(情報提供等記録開示システム)を連携させる。
一方、CCUSは、技能者登録時に、本人情報や保有資格などの登録が求められる。国交省は、マイナポータルとCCUSを連携し、CCUSへの本人情報などの登録を簡素化したい考え。さらに、マイナポータルを通じて技能講習のDBとも連携すれば、資格情報の登録手続きが簡素化されるだけでなく、CCUSカード1枚で複数の技能講習修了証を代替することが可能になるという。