2027年に本県で開催される「第81回国民スポーツ大会」での天皇杯獲得に向けて、宮崎県は12月7日に開かれた県議会スポーツ振興対策特別委員会で、今後の競技力向上の考え方を示した。選手の発掘・育成・強化や指導体制の充実・強化、関係団体間の連携強化に加え、練習環境の整備やサポート体制の充実を図る。
本県で開催される国民スポーツ大会に向けた競技力の向上を図り、大会終了後も更なる本県スポーツの発展に寄与することを目的として、県は18年7月に官民一体による「宮崎県競技力向上対策本部会議」を設置。19年6月には、競技力向上に関する基本的な考え方や方向性を示した「競技力向上基本計画」を策定した。
基本計画では、①推進体制の整備・充実②選出の発掘・育成・強化③指導体制の充実・強化④環境条件の整備―を競技力向上対策の4本柱に据え、これに基づく事業を積極的に推進するとともに、18~20年度を育成期、21~23年度を充実期、24~26年度を躍進期と位置付け、それぞれの期間にあった対策を講じる。
また、練習環境(施設)の整備に関しては、学校体育施設や公共施設等の既存の練習環境を最大限活用して競技力向上に取り組むことを基本とするが、日常練習に必要となる施設が整備されていない競技や、既存施設の規格等が基準に満たない競技、既存施設の老朽化が著しい競技については、環境整備を行う必要がある。
今後の施設整備の考え方として、天皇杯獲得のために必要な練習環境整備として、競技団体等から要望があったもののうち、宮崎国スポでの得点増加等の整備効果が見込まれる競技について、重点的に整備を行う。
現時点で計画している主な施設整備では、規格等が不十分で老朽化が進む宮崎県総合運動公園の自転車競技場を改修する方針。20年度に基本設計、21年度に実施設計、22~24年度に工事を行う。また、県立小林高等学校等体育館のバスケット床改修も計画し、20年度に設計、21年度に工事を行う予定でいる。
一方、日常練習に必要な施設が整備されていない競技のための新設施設では、県立宮崎工業高等学校の水球プール(設計=20年度、工事=21~22年度)、県立延岡星雲高等学校のアーチェリー場(設計=20年度、工事=21年度)などを計画している。
このほか、競技団体で整備することが困難な特殊設備や特殊競技用具に関して、通常の競技力向上に必要な設備や用具の整備は既定予算で対応するが、国スポに向けて設備等がないものや不足するもの、規格が合わないもの、老朽化に伴い既定予算で賄えないものについては、臨時的経費で対応する。