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製材工場で県産材の魅力を再確認 宮崎県建築士会宮崎支部

      

▲写真は見学会の模様

 一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部の女性部(内田恭代部長)は、12月5日に高原町内で2020年度の研修会を開催した。研修会には、女性部員に加え、宮崎支部や青年部の会員も参加。今年3月、宮崎フリーフェイ工業団地内に竣工した株式会社高嶺木材の高原工場を訪ね、木材の製材過程や最新鋭の導入設備を見学した。

 女性部主催の研修会は、建築士としての資質の向上や会員相互の交流・親睦を目的として、毎年開催しているもの。例年は女性部員のみを対象としているが、新型コロナウイルス感染症の影響で研修会等が開催できない現状を踏まえ、新型コロナの感染防止対策を徹底した上で、宮崎支部や青年部にも声掛けし、少人数で開催した。

 高嶺木材の高原工場は、約7㌶の広大な敷地に原木置場や製材棟、乾燥機、木質バイオマスボイラー、加工棟、倉庫等を配置。22年度に年間8万m3の原木を消費する生産計画を進めている。特定の商流に依存しないビジネスモデルや県産材の良さを活かした商品開発が高く評価され、同社は20年度の宮崎中小企業大賞を受賞した。

 研修会では、同社製造部の前田大輔部長が会社概要や高原工場の施設概要、今後の生産計画、工場内の主な導入設備について説明。その後、参加者は原木置場や原木選別機等の区画に移動し、選別効率を上げるための工夫について説明を受けたほか、QRコードで製品の出来高や生産時期等を管理していることを確認した。

 製材棟では、大径木と中径木のそれぞれのラインで原木を製材する模様を見学。製材過程で生じたチップを木質バイオマスボイラーで活用し、その蒸気を木材の乾燥に使用していることを確認したほか、木造の乾燥養生倉庫や乾燥材加工棟、製品倉庫も見学した。見学終了後には、参加者からの質問に前田部長が丁寧に応じた。

 当日はこのほか、女性部がワークショップとして珪藻土塗りの一部に協力した、古民家を改修したえびの市内のカフェで、オプショナル見学会も開催した。女性部の内田部長は、「研修会を通じて、木材市場や製材過程など木材全般について学ぶとともに、県産材の素晴らしさを再確認する機会になれば」と期待を込めた。