宮崎県は、本県林政の基本となる「第七次宮崎県森林・林業長期計画」が2020年度に終期を迎えることから、新たに「第八次宮崎県森林・林業長期計画」を策定するにあたり、計画の素案をまとめた。ホームページや県民情報センター、県政相談室、環境森林部環境森林課で公開し、21年1月15日まで意見を募集する。
宮崎県森林・林業長期計画は、本県の森林・林業・木材産業の目標とこれを達成するための方策を明らかにし、宮崎県総合計画の分野別施策を具体化する部門別計画と位置付ける。計画期間は、21年度を初年度とし、30年度を目標年度とする10カ年。社会情勢の変化に対応するため、5年後を目途に計画の見直しを行う。
素案では、森林・林業・木材産業を取り巻く情勢の変化や現状と課題、期待される役割を踏まえ、「持続可能なみやざきの森林・林業・木材産業の確立」を基本目標に設定。実現に向けて、①多面的機能を持続的に発揮する豊かな森林づくり②持続可能な林業・木材産業づくり③森林・林業・木材産業を担う地域・人づくり―を推進する。
具体的には、森林計画制度に則した適正な森林の整備・保全やICT等を活用した森林関連情報の整備、適切な再造林の推進とコストの低減、適切な間伐の推進、効率的で災害に強い路網の整備、野生鳥獣被害防止対策の推進、林地の保全と保安林の適切な管理、山地災害の防止と復旧対策の推進などに取り組む。
また、施業集約等による効率的な林業経営の推進や経営感覚に優れた林業事業体の育成、木材加工・流通ネットワークの構築、木質バイオマス活用の推進、リフォームなど住宅産業等との連携の促進、公共建築物・非住宅・土木分野等への利用拡大、異業種との連携促進による木材の新たな分野への利用推進などを図る。
このほか、山村地域の振興・活性化に向けた定住環境の整備や森林資源の活用による就業機会の創出と所得確保、都市と山村の交流促進、新規就業者の確保・育成と林業・木材産業のリーダーの育成、就労環境の改善、林業労働安全衛生の確保、多様な主体による森林づくり活動の促進、木育の推進などに取り組む。
林業特有の課題の解決や木材の生産・加工・流通過程の効率化、県産材の需要拡大を図るとともに、それらを支える多様な人材の確保・育成を目指すため、特に再造林の効率化・省力化やスマート林業の推進、木材の生産・加工・流通改革、新たな木材需要の開拓、多様な担い手の確保・育成に横断的かつ重点的に取り組む。