宮崎県は、本県環境行政の基本方針である「第四次宮崎県環境基本計画」の素案をまとめた。計画期間は2021~30年度の10年間。目指すべき環境像に「ひと・自然・地域がともに輝く持続可能なみやざき」を掲げ、計画最終年度の30年度に温室効果ガスを13年度比で26%削減させることを目標とする。
現行の宮崎県環境計画(改定計画)が終期を迎えることから、社会情勢の変化や複雑かつ多様化した環境問題に的確に対応するため、新たな計画を策定し、脱炭素社会や循環型社会、自然共生社会の実現に向けた取り組みを進め、恵まれた環境と自然豊かな郷土を将来の世代も享受できる持続可能な社会の構築を目指す。
計画では、持続可能な開発目標(SDGs)や気候変動・プラスチックごみ問題、グリーンリカバリーの視点を踏まえ、①脱炭素社会の構築②循環型社会の形成③地球環境、大気・水環境等の保全④生物多様性の保全⑤環境保全のために行動する人づくり⑥環境と調和した地域・社会づくり―の6つの分野別施策を展開する。
各種施策に県民・団体、事業者、市町村がそれぞれ取り組み、再生可能エネルギー総出力電力を305万㌔㍗(現況231万㌔㍗)、公共建築物における木造率を35%(同24.7%)、再造林面積を2200㌶(同2134㌶)、市街地における幹線道路の無電柱化率を6.2%(同3.9%)などとすることを環境指標に設定する。
一方で、目指すべき環境像の実現に向けて、今後10年間に重点的に取り組む施策群として、「2050年ゼロカーボン社会づくり」「みやざき地域循環共生圏づくり」の2つを重点プロジェクトと位置付ける。
ゼロカーボン社会づくりでは、省エネルギー・省資源の推進や再生可能エネルギーの導入拡大、森林吸収量の維持、環境保全を支える人材づくりに取り組み、温室効果ガス排出量と森林等吸収量を均衡させて、2050年の排出量実質ゼロを目指す。
地域循環共生圏づくりでは、食品ロスの削減など4Rの推進や公共下水道・合併処理浄化槽によるる生活排水対策、地域資源を生かした環境ビジネスの創出、資源の循環的な利用の促進やリサイクル産業の育成、エネルギーの地産地消などに取り組む。