宮崎県は、農業・農村振興の基本的な指針と位置付ける「第八次宮崎県農業・農村振興長期計画」の素案をまとめた。計画期間は2021年度から10年間。持続可能な魅力ある農業の実現に向けて、あらゆる危機事象に柔軟に対応できる農業構造への変革や、様々な情報を積極的に取り込んだ賢く稼げる農業の共創を図る。
素案では、本県農業の現状や社会情勢の変化、自然災害や家畜伝染病等の危機事象、農業政策をめぐる国内外の動向を踏まえ、10年後に目指す将来像に「農の魅力を産み出す人材の育成と支援体制の構築」「農の魅力を届けるみやざきアグリフードチェーンの実現」「農の魅力を支える力強い農業・農村の実現」を掲げた。
将来像の実現に向けて、25年度までの5年間で取り組む具体的な施策(基本計画)では、人材の育成と支援体制の構築を図るため、新規就農・参入支援によるプレーヤーの確保、多様な研修によるプレーヤーの育成、女性・青年農業者が活躍できる環境づくり、産地サポート機能を発揮する地域調整体制の構築などに取り組む。
一方、みやざきアグリフードチェーンの実現に向けた施策では、スマート生産基盤の確立による産地革新として、スマート農業の普及と高度化、水田ほ場や畜産分業拠点施設の整備促進、新たな加工場の整備を推進。産地と流通の変革を生かした販売力の強化を図るとともに、高度な物流拠点施設の設置などを目標とする。
また、力強い農業・農村の実現に関しては、資源循環型産地づくりとエネルギー転換の推進(エネルギーMIX発電施設)、防災重点ため池補強対策工事の推進、家畜防疫体制や植物防疫体制の強化、安心して営農できる農業セーフティネットの強化、GAP認証取得をはじめとする環境に優しい農業の展開などに取り組む。
素案は宮崎県のホームページ等で公開し、21年1月6日まで電子申請システムや郵送・FAX・電子メールで意見を募集する。意見の提出先及び問い合わせ先は、宮崎県農政水産部農政企画課農政計画担当。